菅内閣不信任決議案 野党からの提出に、与党は賛成に同調する?

自民、公明が衆院に提出する菅政権の不信任決議案に対して、民主党
小沢一郎やそれに近い50人超の衆院議員が賛成するという。
また鳩山前首相や原口前総務相も賛成に回ることが明らかになった。


ただ可決には、社民党を除く野党と民主党から7〜80人の賛成が必要。
社民党共産党は棄権を決めたようだ。
問題は残りのはっきりしていない民主党議員の動向といえる。
もし可決されるようなことがあれば、1993年の宮沢内閣以来の可決に
なる。


小沢や鳩山の各グループが菅政権に反旗を翻す理由は、次期首相に民
主党から誰がなっても、野党から攻撃されにくいからだと考えたからだ。
今回の不信任決議案は野党が提出した。
だから賛成に協力してくれた人(内閣)に対しては、一定の関係を保つこ
とになると思われる。


いずれにせよ可決された場合は、2つの道しかない。
衆議院の解散か、内閣総辞職だ。
前者の場合は総選挙を行うことになるし、後者はトップの顔を変えること
になる。
このブログを書いている時点で、不信任が決まっているわけではないが、
大震災の対応について不手際が目立ったとはいえ、日本国のリーダーを
コロコロ変えることには疑問が湧く。


先月末に開催されたフランスでのサミットでは、8ヶ国の首脳の人形や
似顔絵が飾られたが、日本の首相の顔はといえば、ナント麻生太郎であ
った。
16年前、どこの国のサミットかは忘れたが、当時の村山首相が出席し
たところ、これまた日本の首相の顔は、その前の首相であった羽田孜
あった。
サミット開催国の事前調査がいい加減であることも問題であるが、一国
のトップが1年ごとに変わってしまうこともまた問題であろう。


G8の首脳で、戦後最も多く顔ぶれが変わったのはイタリア。
日本は不名誉にもその次に多い。
なぜ日本はこうも首相が次々と交代されていくのか?
最大の理由は、首相の任期が法律で決まっていないからである。


例えばフランスの場合、大統領の任期は5年。
一度だけ再選が認められているので、最大10年まで就ける。
米国やブラジル大統領の任期は4年。
これも一度だけ再選が認められている。
ロシアは現政権で6年と決まった。 再選も一度だけ認められる。
韓国では大統領の任期は5年。 こちらは再選はない。


こういったように一度就任すれば、人気不人気に関わらず、任期期間を
全うできることになっている。
とくにロシアや韓国の場合、官僚の首をいつでも切ることができる。
だから官僚は大臣のいうことを聞くのだ。
またロシアは完全な中央集権国家だから、大統領は地方自治体の長す
らも独断で変えることができる。
日本はどうか。 大臣に人事権なんてない。
日本の政治システムとリーダーシップ問題は本当に深刻だといえる。


私は以前のブログで、自然災害で起きた被害は与野党団結で取り組ん
でいくべきだと書いた。
しかし旧自民党政権は戦後54年間も政権に就いていたにも関わらず、
まだ2年にも満たない民主党政権を引きずり落とそうとしている。
自分たちが作り上げた800兆円以上の財政赤字年金問題についても
完全に棚に上げているかのような姿勢だ。
過去には自公政権にもマニフェスト違反はちゃんとあった。
こういった幅広い見地から平等に見ていかなければならない。


首相の在任期間は、法律の他にもメディアによる要素も大きい。
また官僚支配といった問題もあるし、支持母体にも左右される。
そして何より国境を越えた、政治的なウラの動きも間違いなくある。
こういった問題はいずれも旧自民党政権下で確立されたものだ。
せっかく民主党政権が誕生したのだから、ここは不屈の精神で過去の
既成事実を変えていってもらいたい。



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