菅直人首相 不信任決議の否決で続投へ それでも気になる発言が

民主党議員2人の造反、小沢氏の棄権 鳩山前首相の反対票などから、
菅首相はかろうじて最悪なケースを免れた格好だ。


採決前、菅首相は鳩山前首相から一枚の約束事項を渡された。
それは、


(一) 民主党を壊さないこと。
(二) 自民党政権に戻さないこと。
(三) 震災の第二次補正予算案の目処が立った後、辞任すること。


以上の3カ条だったという。
つまり今までは、こういう当たり前なことができていなかったのか?
もしくはそういう惧れがあったということなのか?
ということに他ならない。
菅政権がいかに民主党の基本理念から外れているのかがわかる。
一方でよくよく考えてみると、これらが果たされれば、何も首相の顔を
再び変える必要はないのでは ... とも言いたい。


それにしても現首相が前首相から要求を突きつけられることについては、
何とも情けない限りだ。
民間企業や公務員に勤めている人からみれば、とても理解できない。
やはり日本国政治のリーダーシップは無いに等しいのか。


自民党政権に戻さないこと」 については、安易に解散総選挙をしては
ならない、、、ということだろう。
菅直人は米国ロックフェラー系の政治家である。
今年2月、小沢一郎党員資格停止に踏み切った理由は、やはり向こ
うからの政治的圧力があったからだろう。
ウラでマネーが動いていた可能性が高い。
だから鳩山も、自民党に政権を渡すことを危惧しているのだ。


さて震災対策についてだが、注入作業の件やロボット導入の問題など、
後手に回ってしまった点も確かにあるが、一定の成果を果たしたものも
ある。
福島原子力発電所が大爆発を起こした後、周囲に住んでいた住人に
対して、速やかに避難させたことだ。
そしてあくまでも結果論だが、不幸にも東電従業員やアルバイトで何名
か被曝した人はいたが、住人の被曝についてはきいていない。
こういった点についてはマスコミ各社は一切報道していない。
いつもながら困ったことである。


少なくとも今回の震災で、福島原発から半径2〜30キロは半永久的に
ヒトが住めない状態になるだろう。
しかし原発の安全性については、これからも怠ることなく進めていくべ
きだ。
今回の原発は40年以上も前、旧自民党政権下で作られたもの。
米国GE製だというから、ちゃんと向こうの企業に対して、綿密に調査し
てもらいたい。
しかも米国では、原発の寿命を60年から80年にするとも言いだして
いる。
こういった根拠についてもきちんと説明を求めるべきだろう。


原子力発電の需要は今後も拡大していくことは間違いない。
ドイツやスイスは将来全廃を目指すというが、新興国では深刻な電力
不足から、ますます建設に拍車がかかる。
現にトルコやベトナムでは、日本からの援助を維持すると表明してい
るし、サウジアラビアでも原発の基本方針は変えていない。
先日はリトアニアが、東芝・日立連合から原発を受注している。


それに地震がほとんどない国や地域は、自然災害という観点から考え
れば特別問題はない。
ベトナム地震がほとんどない。
サウジアラビアがあるアラビア半島地震はほとんどない。
インドも中国やパキスタン国境周辺は地震が多発しているが、南部で
はほとんど起こらない。
トルコは地震大国だが、断層が多い地域を外せばまず大丈夫。
こういったように福島原発から教訓を得、反面教師として考えていけば
リスクは抑えられると思う。


さて今回の不信任決議の反対から、菅首相の発言について少々気が
かりな点を覚えた。
それは、“ 退陣後は若い世代に受け継いでいきたい ” という発言。
つまりこのことは少なくとも、「小沢一郎には受け継がない」 というウラ
の真意がとれる。
やはり次も自身のグループから出したいというものか。


鳩山政権時には菅直人を副総理に選んだことを忘れてはいけない。
鳩山の退陣後は、副総理が就任することは自然なことであった。
普天間基地問題がうまくいかず辞任し、米国寄りの菅直人が就任して
事態を落ち着かせたいと思っていたのだろう。
菅直人の後任は誰になるのかわからないが、少なくとも小沢一郎のよ
うに、「一命を懸ける」 というリーダーが日本には必要だ。



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