米銀の破綻 今年47行 問題銀行888行の運命はいかに

18日、米国FDIC(連邦預金保険機構)によれば、新たに地方銀行
2行を閉鎖させ、今年の米銀破綻数は47行になったと発表した。
FRB米国債を中心に買い進めてきたQE2のおかげで、中小銀行
に対しても資金が行き届いた効果だといえよう。


その一方で、バランスシートに問題がある銀行は依然として増加して
いる。
2011年第1四半期では、888行にも上っているのだ。
これは1993年の第1四半期に記録した問題銀行数928行に次ぐ
多さである。
量的緩和の打ち切り、そして連邦債務の上限引き上げができないと
なれば、その影響力は凄まじいものになるだろう。


QE2は5年物中期国債の買い取りが中心。
金融機関の破綻急増や、株価の維持には一定の効果があったかも
しれない。
さらに株だけでなく商品市場にも資金がどんどん流れていった一方で、
住宅価格の下落には結局歯止めをかけることはできなかった。
そして失業者の雇用を公的機関へどんどん進めていった結果、財政
赤字の増加に拍車がかかったというわけだ。


それにしても買い取り対象が、5年物中期国債中心というのも何とな
く怪しい気がしてならない。
ここは10年物長期国債や30年物超長期国債でもよかったハズだ。
もしかしたら米国政府や州政府、FRB、さらに政府と結びつきが強い
大手金融機関などは、5年以降には自分たちの国家や通貨ドルが、
もう存在していないことをほぼ認めているのではないか. . .

とさえ受け取れる。


とにかく5年どころか、債務上限の引き上げができなければアウト。
つまり早い話がデフォルトである。
ギリシャより早くデフォルト宣言するかもしれない。
しかしこれは自業自得というもの。
インチキ証券を世界中にバラマいて、その上でペテン格付け会社
保証していたのだから当然の成り行きである。


欧州(EU)も米国など守ろうとは思っていない。
身内のことだけで精一杯なのだ。
またEUはライバル意識という意味もあるのだが、ドル買いといった
為替介入は基本的にしないというポリシーである。
だからEU諸国は経済規模からみても、外貨準備が驚くほど極端に
少ないのだ。
今のユーロ安はもちろん、急激なユーロ高の時でも為替に手を出さ
なかった。


ドイツやオランダ、オーストリアといった貿易黒字国は、今のユーロ
安で一定の恩恵を受けている。
内心はギリシャに感謝しているのではないだろうか(!?)
まあ、これはちょっとばかり筆者の思い過ぎかもしれないが。



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