米銀の破綻 今年63行 緊縮財政で量的緩和策がなくなる

連邦預金保険公社(FDIC)によると、5日にワシントン州イリノイ州
ある地銀2行を閉鎖されたという。
これで今年の米銀破綻は63行になった。


米経済を建前上、もう一度立て直すためには身近な存在として量的緩和
が思い浮かぶが、デフォルト宣言の回避と引き換えに、大幅な緊縮財政
が実施されていくことになった。
これから財政の健全化に向けて努力していくだろうが、今後はドルの印刷
をジャブジャブ刷ることはできなくなったということだ。


これまでの量的緩和策(QE1・QE2)では、主に株やコモディティばかりに
向かっていった。
というか、意図的に向かわせていたという表現が正しいだろう。
米国は日本と違って、株主を最優先するので、どうしても株価をつり上げ
たいという考え方を持つ。

これは同時に、どんどん人員削減をさせることを意味する。


商品相場においても同じこと。
世界最大の農産物生産・輸出国だから、こういった産物価格をつり上げる
のだ。

これによって農家や関連企業は大儲け。
その裏で世界的にインフラが起り、農産物や資源輸入国などは日常生活
の打撃を強いらせてしまうことに。
こういった事情は日本などが典型的な例だが、そもそもカネを持っているし、
急激な円高も手伝って、他国ほどの影響は被っていない。


とにかく米国の量的緩和は、自分たちのマネーを使っているわけだから、
そういった政策は勝手なのだろうという発想だろうが、今でも一応基軸通貨
国としての責任感というものに欠けているといえる。
そもそも “ 借金を借金で返す ” というのは異常なこと。
日本を含め、どこの国でもみられる現象であるが、米国の場合は借金の額
が異常過ぎるのである。


週明けも円高が進行し、欧米やアジアの株価も下落していくだろう。



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