米国債 6月の各国発行残高 日本、ブラジル、香港などが減少

財務省が17日、6月の世界各国による発行額を発表した。
中国が前月5月より57億ドルも増加させた一方、保有額2位の日本が
14億ドル売却した。


日本と同様、今回保有額を減らした国は上位から順に、ブラジル、香港、
ロシア、カナダ、インド、韓国、イタリアなど。
中でもロシアの売却率が高く、前月比で約5%も減らしている。


さて英国であるが、公式統計上では保有額が殆ど変っていないが、ここ
約2年間はいつも数ヵ月後に、世界の各国の保有額が変更されている
ので、ほぼ完全に売却している可能性も否定できない。
10月頃には判明するだろう。


ちょうど今日の8月17日は、サブプライム・ショックが発覚して丸4年が
経つ。
ようやくここへきて、米国債のバブルが弾けそうな気配なのである。
世界の国債市場の約55%を占めている米国債の信用が崩壊すれば、
保有国や保有企業は額面割れの危機に直面し、採算割れを起こす。
米国に次ぐ第2位のドイツ国債でも、世界では7%程度。
そう簡単には米国以外に乗り換えられないだろう。


欧州ではドイツの存在感が際立っているが、ここへきてフランス国債
格付けが最上級から転落しそうである。
だからドイツが直面する試練も、そう遠くない気がするのだ。
州立銀行の不良債権天文学的に膨れ上がっているし、GDPにおける
輸出の割合が高いため、決して安定的な経済構造になっているとは言い
難い。


ドイツはユーロ安から輸出が好調だというが、まさに中国の内需に支え
られているといっていい。
また日本や、その他新興国向けの輸出も好調だと思われる。
しかしユーロ圏内の国同士では、同じ通貨を使っているので、為替によ
るメリットはほとんど生まれない。
米国向けも対ドルでは高くはなっていないが、極端に安くもなっていない
ので、輸出額・量は思ったほど増えていないだろう。


アジアではドイツ同様、韓国が輸出経済に大きく頼っている国。
現在同国は通貨ウォンの下落に直面している。
資産が徐々に逃げ出しているのだ。
だからひとたび世界経済が収縮すると、当該国経済は崩壊する可能性
が一層高くなるといえよう。
ドイツの国債は海外投資家の保有率が高い。
おまけに輸出も海外に大きく依存していることから、危機は思った以上
に早くやって来るかもしれない。



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