デンマーク 隠れた金融危機国 家計債務は先進国で世界一

北欧4カ国の一角を占めるデンマークがヤバい。
現在は世界中から資金が調達できない事態に陥っているらしいのだ。


同国の存在はこれまでほとんど皆無、というより、無視されてきたとい
う表現が正しいかもしれない。
しかし金融危機前までの不動産バブルの水準は、アイルランドや英国、
スペインなどと同じくらい膨らんでいた。


デンマークの通貨はデンマーク・クローネ
今から思えば幸運にも(!?)ユーロ加盟は避けることができたが、住宅
バブルが激しかった点では、現在財政赤字に呻吟してる英国と非常に
似ている。


だが家計債務の割合でいえば、あの英国より遥かに高いのである。
一家の所得は各国によって当然のこと異なるが、デンマークの家計債
務は300%を超えているのだ。
これは主要国で最も高いといわれてきた英国などより、2倍以上も高
い水準である。
米国や韓国よりも、家計負債は比較にならないほど大きい。


それから一家ではなく、国全体として抱えている対外債務も非常に高
く、こちらも皮肉であるが300%前後の水準。
アイルランドや英国、ベルギーに次ぐほどである。


デンマークのGDP成長率は、2008年にマイナス1.9%。
2009年はさらに悪化し、マイナス4.9%まで落ち込んだ。
去年2010年はプラス2.1%に回復したが、失業率はここ1年間ほと
んど改善しておらず、7%台半ばが続いている。


同国通貨は先月、対日本円で急落した。
ちょうどイタリア危機が発覚してきた頃である。
あれからほぼ1ヶ月が経ったが、現在も対円で15円にも満たない。
デンマークがユーロ諸国の危機を早めることはないだろうが、事実上、
ユーロとペッグしているので、今以上のインフレが襲ってくるだろう。


しかもPIIGS諸国と違い、ややマイナーな通貨であることから、信用面
で問題があるので、世界中から資金調達ができないのである。
ユーロ加盟が 「吉」 とでるか 「凶」 とでるか。。。
この点がギリシャなどの救済と対応が違ってくるわけである。



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