ハンガリーが 「ポテトチップス税」 目的は肥満の防止!?

財政危機が深刻化している東欧ハンガリーが、スナック菓子や清涼飲
料水といった、比較的塩分や糖分が高い食品に 「ポテトチップス税」を
導入し、9月1日から施行された。


同国ではすでに財政赤字削減のため、銀行税が引き上げられており、
今回の税についても6月下旬に国会に提出されていた。
そして今月からの実施に至っているわけだ。
食べることに生きがいを感じている同国民にとって、今回の課税によっ
て本当に肥満の防止につながるのだろうか?
甚だ疑問だ。


しかし同国政府にとっては蔑ろにできない状況だったに違いない。
ハンガリー国民の肥満率は、EU域内では堂々の(!?)第2位。
医療費などの問題を考えても、国の財政と同様、以前から社会問題化
していた。


だがこれから大人になる子供達なら、一定の肥満防止につながる可能
性もあるが、成人の場合はなかなか難しいのではないだろうか。
皮肉にも、ハンガリーの伝統料理に対しては課税しないというのだ。
どういった料理があるのかまでは知らないが、とにかく政府の表と裏の
意図がうかがえる。


それでも今回の措置は、あくまでも財政再建が主な目的。
景気の良い時は、こんな課税なんてするハズがなかっただろう。
しかも増税によって、同国の景気が一層冷え込むという逆効果も十分
予想される。
同国の消費税はすでに25%。
北欧諸国などと共に最も高い水準である。
一方で失業率は今でも10%をウロウロしている状態。


住宅ローンの焦げ付きも深刻で、金融危機前はスイスフラン建てで借
りていた人も多かった。
その後は通貨フォリントが対スイスフランで30%も暴落し、一気に返済
額が増加してしまったのだ。
同国で発明されたルービックキューブのように、不況の出口についても
根本的な解決策は容易には見当らない。
食品の課税なんかより、外国からの投資を積極的に促進すべきだ。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者