非核三原則 矛盾と問題点 民主党の密約調査 既にガラパゴスか(1)

2月下旬、産経新聞世論調査で、1971年に当時の佐藤栄作首相
非核三原則(持たず・作らず・持ち込ませず)について、
見直しに賛成するが4割近くなったと報道した。


同時に調査されたものでは、日米安保体制について、“堅持すべき”
と思う人が77・3%に上る一方で、今の米国による核の傘については
“信頼できない” と考える人が3割を超えたという。


とくに民主党政権になってから、核の傘どころか、日米安保の信憑性
についてもどこまで効力を発揮しているのか、時々議論が行われる。
戦後65年間、世界情勢は大きく変化した。
敗戦国の日本とドイツが経済力で世界第2位と3位に君臨。
逆に戦勝国であるロシアや中国が、経済の衰退によって、かろうじて
保有国の権利を持ち、引き続き軍事大国を維持してきただけだ。


中国は去年、ついに日本のGDPを超えたというが、政府が全て保有
している土地価格をつり上げ、使用権や賃貸料を増やすために意図的
にバブルを起こしているに過ぎない。

だからあれほどのマネーを生ませることができたわけである。
単なる世界の工場で発展し、雇用を増やすだけでは、あそこまで巨額
のカネを作り出せることはできない。
薄利多売の商売だけでは限界があるのだ。


さて本題に入るが、この非核三原則について、“見直すべきだ” との
回答も4割に上ったという。
とくに自民党議員の中では、米軍基地の重要性は抑止力という観点
から必要であるというが、これは単に米国軍事力をアジアだけでなく
世界中でも存在感を維持させて、プライドを保持させるという短絡的な
考え方だけである。


第2次大戦後の歴史を振り返ると、米国はこの60有余年、ずーっと
戦争を仕掛けているといえる。
朝鮮戦争ベトナム戦争イラク戦争、アフガン戦争、そして中東で
勃発した戦争は何度も繰り返されている。
しかしこれらに共通しているのは、一度足りとも 「核」 が使われてい
ないことだ。
それに北朝鮮問題でいえば、メディアはこぞって “核弾頭ミサイル”
や、“核開発”、“核実験” という表現を繰り返し伝え、国民を恐怖に
陥れる。
つまり日本国には核に縁を持たせないことで、非核三原則という国是
を適当に操って、米軍の存在感について高揚してきたのである。
これが戦後54年間続いた自民党という悪政党だったのだ。


ではなぜ 「核」 がなかなか使われないのか?
戦争中に世界で唯一核の恐怖を味わった日本であるが、こういった
大量破壊兵器を再びと使うことは、たとえ常任理事国でも許されない
という考え方もあるだろうが、それだけではない。
とにかく今の核兵器(核弾頭)の威力は、当時、広島や長崎に落とされ
た原爆の千倍にも達する。

だからもし一発でも使用されたら、数万人どころか、数千万人の命を
一瞬にして突き落とすことになるからだ。
この程度の知識は世界中の政治家や軍事関係者は知っている。


このような一般常識から考えていけば、日本のような核保有国に囲ま
れている国にとって、非核三原則は危険極まりない。
単純に考えて、“核を持っていないから反撃できない” という理由だ
けではない。
確かに憲法上もネックになるが、9条だけで考えれば、一応建前では
政治的にも日米安保が存在している。
ところがこれだけではまだまだ説得力に欠けるのだ。
次回のブログでもう少し説明したい。



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