米銀の破綻 今週は3行。商業不動産バブル崩壊の影響は甚大。

米銀の破綻が新たに3行増えた。
破綻したのはイリノイ州ミネソタ州ユタ州の銀行。
今年の破綻件数は計4行となった。


とくに経済的な大震災といってもいい、商業用不動産バブルの
崩壊は甚大である。
商業用不動産とは主に、オフィスビルや倉庫といった産業施設、
賃貸アパートといった集合住宅を指します。
つまり雇用情勢や企業の生産、設備投資、個人消費に大きくか
かわってきます。


07年夏以降の世界的金融危機による景気低迷で、需要が全国
的に落ち込んでいるため、雇用や消費活動の動向が今後の商業
不動産価格を予想する上で重要な指標となるわけです。
ところがいまだに回復基調は表れません。


米国の失業率は、06年に4%台前半まで低かったのですが、
今では10%の大台を超えています。
それに反比例するかのように、商業不動産価格が07年の天井
推移からすでに50%も下落しているのです。
毎月悪化の一途を辿っており、平行線になる様子もありません。
個人破産や企業倒産も右肩上がりで増加しています。
問題銀行も4〜500行に上っており、これが今年から来年に
かけて実際の破綻件数として挙がってくるでしょう。


さらに今年2010年は、かつてなく米国債保有状況が注目
される年になります。
間もなく09年11月の米国債保有残高が発表されますが、
民主党政権になってからの動向が、引き続き注目されます。
数十年に渡って買い増し続けた旧自民党政権に対し、民主党
10月、50億ドル(4500億円)の米国債を売却しました。
中国、日本に次ぐ保有額の英国も、同時期190億ドル売却し
たのです。


今年の予想は、短期国債を多く保有している中国が満期を迎え
ると、一気に売却に走りそうです。
反対に長期国債保有が多い日本は、少しずつ減らしていくこ
とになるでしょうね。
具体的な時期は春です。3月から6月が要注意です。
去年のこの時期、中国は多くの短期国債を増やしたため、一気
に売却に走る可能性が高くなります。


米国債の売却は、日本より中国の方が経済的な危機が高いため、
お互い両国の動向と保有額を見計らいながら、手を打つことに
なりそうです。
たとえ中国が売却に走り、世界を混乱させるような事態にさせ
たとしても、“短期国債の売却” であるという理由を引き出し、
正統性を主張するでしょう。
とにかく今年は、ちょっとした駆け引きにさらされるかもしれ
ません。



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