韓国経済・通貨危機 IMF支援防止に、通貨レートをウォン安へ!?

日本と韓国の間で、延長々々で延ばされてきた通貨スワップ協定
終了で、期限を迎えた4月30日まで、韓国側はギリギリまで通貨
の介入を行ってきた。
いうまでもなくドル買い、つまり間接的な円安誘導である。
4月の2日に続き、22日、27日にもドル買いを行っている。
前月の3月末にも介入していた。


韓国は輸出の保護という観点から、最近のウォン高に歯止めをかけ
るためと説明しているが、これは正直に本音を表していないものだ
と考えるべきだろう。
もし貿易を有利にしたいというなら、もっと早く介入している筈だ。
最近のウォン高ドル安は、ここ数週間で起きているものではない。
ギリシャ危機や米国経済の指標悪化から、去年後半にドルやユーロ
は再び徐々に安くなっていった。
どんなに少なくとも、今年2月に再延長された日本とのスワップ
定前後には、一定のウォン高に振れていたのだ。


やはり世界に向けて弱みを見せたくないのが、韓国民である。
というか、そもそも北朝鮮民も同じことだ。
両国での最大の政治的価値観は、「名分」 と 「メンツ」 。 
もう一つ付け加えると、「正統性」 があるだろう。
南北の政治を今も大きく動かす、最大の価値観用語といえる。


特に日本と比較する場合は、頭の中では解っていても、「弱み」 を
外に吐くことはタブーだ。
だから過去の清算と、日本への謝罪を要求する主張は、「正統性」
のある論理に確立されている。

通貨スワップ協定の終了がわかった後、韓国大統領は4月に予定し
ていた訪日を急遽9月に延期した。
これこそヘタな弱みを露呈したといえるだろう。


1997年12月、IMFへ総額570億ドルもの支援要請は、まさに
韓国にとって断腸の思いだっただろうが、日本や欧米といった先進
国は個別に支援にまわった。
昨日のブログに書いた通り、日本はひときわ支援額が大きかった。
それぞれ欧州・米国の倍の額を融資したのだ。
こういった支援にもかかわらず、韓国は日本が過去に起こした歴史
上の過ちを主張し続け、“支援は当然の行為” といった感覚を今で
も持ち続けている。
さらに今でも日本への返済必要額6000億円を滞らせている。


韓国や北朝鮮が、日本に対し 「過去の清算」 と 「謝罪」 を繰り
返し求める理由のひとつは、国内での名分と正統性の為である。
要求しなければ担当者は非難される。

もちろん外交交渉では、それを駆け引きのカードとして最大限利用
してくるわけだが、一方でそういった場違いな主張を覆すことがで
きない日本側の担当者も、やや情けないとしか言いようがない。



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