ギリシャ悲劇 財政破綻・ストライキ問題からユーロ防衛基金を創設

ユーロ16カ国は現地時間7日夜の緊急首脳会議で、巨額の財政
赤字を抱えるギリシャ向けの支援策を正式に承認した。


ユーロ導入国が資金を調達するのが難しくなるのに備え、緊急支援
基金までを創設。
財政赤字削減や投機抑制へ金融規制・監督の強化も急ぐという。
財政赤字拡大につながる欧州発の金融危機拡大を何としても阻止し、
単一通貨ユーロの防衛に全力を挙げるというものだ。


ギリシャ財政危機が新興国を含めた世界的な株価急落につながっ
てしまった。
通貨ユーロの急落を招き、ユーロ圏の首脳達は、まさに緊急事態な
どの危機感を次々と表明している。
ベルギー出身のファンロンパイEU大統領は終了後の記者会見で、
ユーロ圏の安定に向けてEUとECBが、“最大限の手段を活用する”
との声明を発表した模様だ。


さらにギリシャだけでなく、財政赤字が今も拡大中のポルトガル
スペイン、アイルランドなどの国債利回りが急上昇していることも
あって、こういった国が自力で国債発行ができなくなった場合は、
EUが迅速に融資できる仕組みを作るようだ。
現地時間9日のEU緊急財務相理事会で正式決定する。


具体的には、ギリシャの信用不安拡大の引き金のひとつになったと
される英米格付け会社への対応と、デリバティブ取引の透明性向上
を優先課題としている。
メルケル独首相は緊急支援基金だけでなく、こういった取引に対し
ても、「投機筋に極めて強いシグナルを送る」 と語ったようだ。


ギリシャ向け支援策は、早速2012年までの3年間で総額1100
億ユーロ。
ギリシャを除くユーロ15カ国が800億ユーロ、残りの300億ユーロ
IMFが負担する。
IMFも週明け9日の理事会で支援を決定する。


ギリシャはもう間もなく19日に85億ユーロの国債償還を控える。
為替市場は少しでも負担を軽くするために、今後もユーロ安円高
加速することになる。



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