ギリシャ財政破綻 ポルトガル、スペインに波及 天文学的数字に(2)

ギリシャにおける最初の国債償還日は今月19日だが、またしても
この日をきっかけに悪材料が露呈しまうかもしれない。
しかしこれはEU首脳やECBにしかわからない。


各国のギリシャ向け与信額は、フランスが最大で全体の36.8%。
それに次ぐドイツが21%だ。
日本も3.1%ある。
意外だがスペインはほとんど無く、0.6%に過ぎない。


とにかくギリシャの次に危ないといわれるポルトガルは、隣国スペイ
ンから860億ドル借りている。
これはポルトガルの対外借り入れの約3割に当たるらしい。
スペインにとって、2度目の金融危機はまもなくやって来るのだ。
ポルトガルとセットで話題になる理由がこれでわかる。


さらにPIIGSの一角であるイタリアの場合、フランスから5000億
ドル以上も借りている。
イタリアの対外借り入れ全体の3分の1強に当たるのだ。
さらに貸し手側フランスにとっても、これだけで同国GDPの2割弱。
フランスの憂鬱はこれから爆発へと変わるのかもしれない。


さらに破綻リスクを保険業務として取引するCDS市場も、欧州系銀
行のリスクの度合いが高まっている。
ジワジワとリーマンショック当時の水準に近づいている。
ギリシャ以外のCDSはやや下がっていたが、ここにきて上昇の気配
を見せている。


今月末にはドバイの債務返済問題がやってくる。
もし再度の引き延ばしになれば、英国や同国銀行の信用問題は再
たび起こることになる。
もちろん英国一国の問題ではなくなるから、ユーロ導入国にも波及す
ることになってしまう。
ポンドはもちろん、ドルについても安全資産に向かうことになるので、
円高が一層激しくなることは覚悟しなければならない。
改めて言うが、英国の銀行が貸し出しているのは主に法人向け。
その額は米国の銀行より額が大きいのだ。


今回ユーロ防衛のため、EU首脳陣は週末土曜日から日曜日にかけ
て支援策を決定した。
平日に悪材料や支援策などを公に出せば、直後にユーロの下落拡大
が広がるからだ。
米国の金融機関が今でもバタバタ潰れているが、毎週金曜日の夕刻
に閉鎖が発表されるのはマイナス的な波及を防ぐためである。



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