スペインとイタリア国債の利回りが急上昇 アジアは低下へ

スペインのサパテロ首相がカンカンに怒っている。
イタリアまで波及してしまった今回のユーロ危機再熱について、
ギリシャのせいだ! 徹底的に調査をお願いしたい。 ”
と、ギリシャを名指しで非難したのだ。
サパテロ首相の任期は来年春までだから、もう言いたい放題といっ
たところだろうか。


スペインの国債利回りが、今日になっても急拡大している。
10年物国債はついに6%台に突入。
あのリーマン・ショック時でさえ5%ちょうど。
去年のギリシャ・ショックでも4.8%だったから、いかに信用不安が
膨れ上がっているかがわかる。


一方、日本国債は総じて安泰だ。
10年物国債が1.1%という低利にもかかわらず、円が全面高。
日本円と同じ動きをするスイス・フランは、最近は円以上に上昇して
いるが、今日はその円に対して下落している。
避難先通貨として、この2通貨は存在感を高めている。


その反面で、その他のアジア通貨は冴えない。
隣の韓国であるが、2年物短期国債の利回りは3.67%。
フィリピンの2年物も、同程度の3.9%である。
当然のこと5年物や10年物はもっと利回りが高いはず。
それなのにウォンやペソはここ数日間、ドルに対し弱含んでいる。
マレーシア・リンギッドも同様。
一旦世界的危機に陥ってしまうと、ドル以上に信用を無くしてしまう
ということか。


とにかくスペインやイタリアまで資本注入となると、さすがの欧州も
大規模な国債を引き受けるしかないだろう。
つまりECBのお出ましである。
いくらドイツだって、今以上他国に税金を出すことはできない。
国民が絶対に許さないだろう。
IMFも、そろそろ資金が底を尽き始めている頃。
とにかく予想を超える速さでユーロ圏に危機が蔓延してきている。


日本は今年、震災という悲劇が起こってしまったが、来年は震災復
興ということで、経済が上向くだろう。
実際、阪神・淡路大震災の翌年(1996年)は、日本が主要国で最も
経済成長率が高かった。
それまではバブルの後遺症に悩んでいたのにである。
しかしその頃にやってきた急激な円高で、その後2年以内にアジア
通貨危機が襲ってしまった。
だから今回も韓国やASEAN諸国が再び窮地に陥ることになる。


マスコミは、なぜ震災が起った日本円が買われるのか. . . ?
という能天気な報道をしまくるが、これは知ってか知らずしてか、
過去の震災後の経済情勢を完全に無視しているからに他ならない。
マグニチュードの規模や死傷者数ばかり比較している。
震災後に円が上昇することは、過去の例をみても明らかなのだ。


 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者