米国公債デフォルト危機 S&Pは格付けを 「D」 に警告!

米連邦債務上限の引き上げ問題が、予想通り難航している。
週末24日も米大統領が、民主党の上院院内総務と下院院内総務と交え
て会談。
当局者が語ったところによると、1時間に及んだ会談では、たとえ短期間
の債務上限引き上げであっても、反対することで再確認したという。
25日も引き続き打開策について協議していくらしい。


国家のデフォルトについて、最近では1998年にロシアが、2001年には
アルゼンチンがデフォルト宣言をした。
つまり海外から借りているマネーを返済できないということだ。
とくに後者のアルゼンチンの場合、その後は年金積立金から資金を工面
していくことになった。(事実上の年金民営化)
今では順調に対外債務を減らしていって、全債務の9割を返済整理するこ
とに成功している。
しかしそれでもまだ1割程度は残っている。


とにかく米国債が今でも最上位の 「トリプルA」 のままであること自体、
それだけ政治との癒着が激しいということだ。
最上位国から常に莫大な手数料が入ってくるから、簡単には下げられな
いのだ。
しかし今回の米国デフォルト危機は、たとえペテン格付け会社であっても、
見直さざるを得ない。
先日S&PのCEOが、このまま解決しなければ、8月2日の数日後には
最下位レベルの 「D」 にする・・・
と話していたという。
これは現在ギリシャ国債の 「C」 評価より悪いのである。


米国政府は、
“ たとえデフォルトになっても、金利だけは今後も返済していく... ”
と話しているが、基本的に格付け会社の規定では、一部返済が滞っても、
最下位にするという評価をこれまで他国にもしてきている。
今の米国債の現状が、まさにコレだ。
すでに上限に達しており、世界に対し、“ ちょっと待ってくれ ” という状態
そのものなのである。
今回は米政府自身が、法律上で且つ現実的にデフォルトに嵌まってしま
うというのだから、これまで政治的に味方してきた格付け機関であっても、
さすがにトリプルAなんぞ維持していくわけにはいかない。


巨大金融機関の破綻も、次第に現実味を帯びてきた。
デフォルト後、すぐに起こることはないと思うが、9月の年度末決算には
破綻、もしくは吸収合併くらいの報道はやってくるだろう。
JPモルガン・チェースの財務諸表では、不良債権がナント90兆ドルにも
膨らんでいる。

私も2年前のブログで、80兆ドルもある!! と書いたのだが、その後も
どんどん増加していたということだ。
このイチ金融機関だけで、実に米国GDPの6〜7倍もの債務があるとい
うのだから、もう絶望的である。


英国の元首相であるトニー・ブレア氏は、今ではどんな心境だろう?
彼は現在JPモルガンの顧問に就いている。
スイスの金融機関も兼務しているらしい。
自国の英経済も大変だというのに、今は気が気ではないハズ。
いずれにせよ、最後の最後まで妥協が図られることだろう。
即日法案成立、即日施行というイレギュラーも考えられないことはない。
もう何でもありの世界だ。



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