米国の金融危機は絶対に収束しない。

米国大統領は、昨日発表された雇用統計について、経済危機の最悪期
が過ぎ去った可能性を示した模様です。
7月の完全失業率が9.4%と前月の9.5%から若干改善したこと
で、失業率の前月比低下が08年4月以来となったのが理由です。


わずか0.1%の改善で、何をホッとしているのだろうか?
今後の経済が上向くという一時的な錯覚を覚えているに過ぎない。
これから秋にかけて破滅的な金融危機が訪れるのです。


確かに低所得者向きのサブプライムローンは底を打った。
しかしこれからは、プライムローンや商業不動産ローンの証券化商品
が激しく劣化していくのだ。
とくに後者の商業不動産ローンは、サブプライムやプライムと
いった個人向けローンの3倍にも達する規模なのです。


今のように短期的に米国経済が浮揚することはあっても、その後に
プライムローン、商業不動産ローン危機が訪れることになります。
もはや言うまでもなく、これまでのサブプライムローンの危機を
はるかに上回る規模で襲ってくるのです。


ローンだけではありません。モノライン4社の格下げがさらに進行し
てきます。
そうなればこの4社に保証されている地方債の信用が一段と低下する
ことになるわけです。


現在の米国経済危機は、相撲でいえば、まだまだ序二段当たりです。
来月9月には、昨年の一連ショック以来の金融恐慌が訪れます。
その発信源は、間違いなく米国でしょう。
可哀そうに欧州は、そのショックで間接的なダメージを被ることに
なると思われます。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者