円高の背景には金融機関の焦げ付き続出か?

私の思った通り、今月に入って為替相場が大きく揺れている。
9月だけで、円相場が対ドルで約5円も上昇しているのだ。


背景としてはいくつか考えられるが、米国金融市場や債券市場
の見通しが、予想通り!?. .の厳しい現実があると思われる。
やはり「魔の9月」は決して嘘ではなかったということだ。
ここ半月の間、米国から大雑把で細かい経済指標や経済対策案
がよく聞こえてくる。


メディアでは、日本の元財務官僚の為替介入をめぐる発言が
大きく響いているのではないか. . という見方をしているよう
だが、そんな一人の発言だけで、ここまで為替が大きく動くこ
とはあり得ない。


米国では会計年度が9月末で終わり、10月1日から次年度に
入る。

今月は過去2年間のような超大型金融機関の破綻は、何とか免
れるかもしれない。
その理由は、これまで米国政府の財政出動で、危ない金融機関
に対し、積極的に資本注入したり、または国有化させたりして
いるからだ。


しかし来月以降は外国が保有している債権や、プライムローン、
そして商業用不動産市場の価格下落が加速していくことは間違
いない。
とくに後者は目下、サブプライム以上の速度で下落している。
貸出し規模自体もサブプライムの3倍を超えているのだ。
背筋が寒くなるのは私だけではないだろう。
おそらくこの秋以降に景気の2番底が訪れる可能性が高い。
中小の金融機関のほうは報道されないところで、将棋倒しのよ
うにガタつき始めるだろう。


メディアというのは、銀行や証券会社出身の評論家をよく出す
が、いつも決まって負の部分をなかなか語ろうとしない。
それはそうだろう。自分たちの身や、勤めている会社に対して
混乱を与えるようなことは望まないからだ。
彼らもバカではないから、近い将来再び世界恐慌が起こってく
ることを察知している。


日本では民主党政権になったことで、今まで毎月約2兆円もの
金を米国にふんだくられていたのが、これからは送金停止の措
置がとられることだろう。
このことは良い事実であっても、決してメディアで取り上げら
れることはない。


また自民党政権時代と比べて、輸出大企業から政治献金を受け
取っていないので、円高阻止のために介入を行ったり指示させ
たりすることもない。
民主党内需拡大を目指しており、財務大臣自身が一定の円高
を認めているからだ。


とにかく来週は、海の向こうからどのような経済情報が襲って
くるかわからない。
一層の円高で、利益確定のための株売りが起こるだろう。
今月最後の3日間で、為替相場以外の速報並みのニュースが駆
け巡ってくるかもしれないのだ。



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