「ネズミ講」 国家、米国の超悲惨な現状

米大手銀行JPモルガン・チェースが発表した7〜9月期決算は、
純利益が約36億ドルと前年同期の約7倍に急増したという。
4〜6月期に比べても32%の大幅増益。
これは証券市場の落ち着きや取引先企業の資金需要の回復を受け、
証券部門の収益が大きく伸びた模様だ。
株式や債券の引き受け、債券トレーディング、ヘッジファンド向け
業務が好調だったというもの。


一方で銀行部門では個人向けの不良債権が増え、処理費用が重荷
となっているという。
個人融資の焦げ付きによる損失増加が響き渡り、クレジットカード
部門は4〜6月期に続いて最終損失を計上。
住宅ローンなどの個人向け融資でもほとんど利益を出せなかった
という。


問題はまさにこのことだ。
債権市場というのは、個人や企業のローンやクレジットカード等と
決定的な違いを持っている。
それは融資や儲けに上限がない点なのだ。
金融危機発端時、CDS市場が62兆ドルも膨らんだのはまさに
上限がない債権市場に投資(投機)してきた結果である。

景気が上向き続けば、担保価値が天井知らずで膨らみ、リターン
もその分稼げる。
そしてその後も住宅などの価格が上がり続ければ、いくらでも融資
されることが可能となる。
それが今日、米国が 「ネズミ講」 国家といわれている理由なのだ。


米国金融機関の底打ちに騙されてはいけない。
このブログでも何度も繰り返し投稿してきたが、今年はこれまでの
急速な信用収縮による落ち込みの反動で、わずかながら明るい兆し
が出てくるだろうが、これは一過性に過ぎないことを知るべきです。


健全な住宅ローンといわれているプライムローンのしくみが、これ
からどんどん壊れていく。
上級サラリーマンでさえも過剰に借りこんでいる。
これだけならまだいいが、真面目に働く上級サラリーマンでさえも
投資好きの人達だ。
こういった人達は、なんと住宅を3軒も4軒も買っている。
それらが目下暴落しているのだ。
だからこれから健全ローンでさえも失職とか倒産などで返済できな
い人がどんどん出てくる。


つまりこういった不良債権が回り回って、2つの巨大住宅公社に集
まり、現在まで5.3兆ドルの負債になってしまったわけだ。
米国民の住宅ローン残高合計は12兆ドル。
何とこのうち半分がすでに焦げ付いてしまったようだ。
米国は典型的な 「ネズミ講」 国家であることを知ってほしい。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者