アイルランド 地獄の不動産バブル崩壊が進行中(2)

バブル時代にはインフレも起こっていた。
アイルランドの単位労働コスト(給与)は、主な貿易相手国に比べて
急激に上昇していた。
欧州中央銀行(ECB)の調査では、アイルランドの単位労働コスト
が99年から07年にかけて30%余り上昇していたことが分かっ
ている。
これはユーロ圏の中で最も高い上昇率だ。


しかし今年1月、金融危機の影響から、長年滞在する中国系住民が
祖国の中国へ相次いで帰国していると、同国の地元紙が報じた。
祖国のほうが安定的な仕事に就けるだろうという期待から、中国系
住民が大挙してアイルランドを離れてしまったというのだ。
結果、現地ではアパートなどの住宅が大量に余り始めているという。


首都ダブリンには多くの新築ビルが建てられたが、中身はというと、
空室だらけだという。
とにかく労働環境は非常に厳しく、大幅な賃下げが起きている。
ダブリン商工会議所の調べでは、10社中9社が給与を引き下げる
か、もしくは凍結しており、3分の1以上の役員給与を10%以上
も削減している。


消費不況も深刻で、スーパーや量販店同士による安売り合戦が繰り
広げられています。
もちろん顧客獲得に苦労しているのはスーパーや小売店だけではあ
りません。外食が高くつくアイルランドのレストランは閑古鳥。
代わりにハンバーガーやピザなどのファーストフード店の人気が高
まっているようで、不景気時代の勝ち組になっているとか。。
とにかくバブル景気時代に開店したカフェやブティックの多くは、
軒並み閉店を余儀なくされているという厳しい状態。


さらに不景気は芸能界にも波及した。
同国出身のロックバンド「U2」を象徴するU2タワーの着工延期
が昨年末決まったのだ。
理由は地価の下落が激しく、83年以来の景気後退入りで事業の採
算に不透明感が強まったことだというもの。


アイルランド経済は英国同様、来年以降も厳しい状況に追い込まれ
そうだ。



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