リトアニアも金融危機が深刻 自殺率も世界でワースト

バルト三国では、ラトビアだけでなくリトアニアも深刻な金融危機
に直面している。


古くからバスケットボールが人気で、リトアニアで最も盛んなスポ
ーツだ。
ソウルオリンピックで男子代表が金メダルを獲得するなど数多くの
世界大会で実績を残している国だ。


ソビエト崩壊後、西欧諸国との結びつきを深めていき、04年には
NATOに加盟。そして同じ年にはEU連合の仲間入りを果たした。
いうまでもなく西側資本が多く流入し、発展を遂げてきた。


経済では2001年には失業率が12%を優に超えていたが、こう
いった西欧諸国やロシアの経済発展を恩恵に、05年になると6%
台にまで回復したのだ。
しかし現在の失業率は13.8%と、再度急上昇してしまった。
地域間の社会的、経済的発展の差が開いてきていて、一部地域では
失業率が30%から40%にも上っているという。


今回の金融危機後で、リトアニア国民の8人に1人が国外退去
してしまったという。
実に悲惨な状況だ。


そのリトアニアは不名誉にも、自殺率が世界で最も高い。
(04年統計)
なんと10万人当たり40人もの人が自ら命を絶っている。
よって街中にはあちこちで自殺防止の広告が貼られてあるという。
全体的に東欧諸国といった旧共産圏が自殺率上位を占めている。


よく言われる理由として、心理的に自殺をしてしまう環境が揃って
いることも大きい。
例えば冬場は日照時間が短いし、昼間でさえ曇りの日も多い。
さらに自宅も薄暗い中で暮らしている等に原因があるらしいのだ。
こういった環境で失業してしまい、収入源を失った人たちが犯罪や
自殺に走りやすいのだろう。


今のリトアニア国民の健康状態や死亡率は、旧ソ連時代のころより
悪く、60歳まで生き延びることができるのは、たった59%に過
ぎないという。
こういった病気による短命の原因は、やはりアルコールだ。


今年5月には大統領選挙が行われ、リトアニア初の女性大統領が
選出された。
大切な国民の命を守っていってもらいたいものである。



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