モノライン「アムバック」の破綻危機 格付けと株価下落
モノラインと呼ばれる米金融保証会社の業績低迷が続いている。
そして今回、大手アムバックが米証券取引委員会に提出した書類で、
資金繰り悪化が続いているため、破産法申請の可能性も検討している
ことを明らかにした。
前日と比べて株価が33%も下落した模様だ。
住宅ローン証券化商品などへの保証による損失が、業績悪化の主因だ
という。
最大手MBIAは、7〜9月期決算で7億2800万ドルの赤字計上。
こちらの株価もこの日、27%近く下げたようだ。
単一の保険業を扱うモノラインは、ニューヨーク州保険業法69条に
基づき設立された、金融保証を専門に扱う民間保険会社をいいます。
モノラインの大手は現在4社。
MBIAやアムバックの他に、FSAとFGICがあります。
これらのモノライン保険会社は民間でありながら、サブプライムの
保証だけでなく、各州の地方債保証まで行っているわけです。
いざとなったら倒産リスクを取れないというのに、大手格付け会社
が最上級のトリプルAなんかを付けていた。
いかに米国という国自体が粉飾国家だったかがわかるでしょう。
住宅ローンを扱う民間会社としては、ファニーメイやフレディマック
があります。これらは米国債に次ぐ信用力を持っているといわれて
いますが、今はもう完全にボロボロ。実情は破綻しています。
全額政府出資で設立されたジニーメイとは違うんです。
これから2年以内に残り3社も潰れる運命になります。
なぜなら信用度の高い住宅ローンの金利が、2011年の秋には
最も高くなるからだ。
(一方サブプライムの金利は08年から急激に下がっている)
失業率や賃金カットがどんどん増えていく中で、毎月の返済額がこれ
から一気に2倍や3倍に増えるのだ。
今後このモノラインだけで、数百兆円の負債が生まれるだろう。
米国の国家破綻はもはや火を見るより明らか。
2年以内、いや1年以内の米国を想像するだけでゾッとしてしまう。
★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者