ドバイ 地獄の経済破綻 金融危機と不動産バブル崩壊(3)

ドバイショックが世界を駆け巡る前の11月7日、地元紙は、
“ ドバイ企業は日本の建設会社に数十億ドルの負債を抱えている ”
と報じ、すでに不払い問題が表面化していた。


建設ラッシュが続いていたドバイに日本の大手ゼネコンは、群がり、
清水建設大林組大成建設が工事を受注していた。
国内の公共工事が大幅に減ったため、新興国に活路を求めていたが、
今回これが裏目に出たということだ。
三菱重工も現地のメトロ工事を受注していたが、現在は支払いを
待っている状況だという。


UAEの銀行は預金より貸出率が多い状態が続いていたため、
不動産価格がこれ以上下落すると、銀行からの借り入れによって
不動産関連の商売をしていた企業や個人は、転売などができなく
なり、借金が返せなくなってしまうのだ。
結果的にはこういった過剰債務の企業や個人は、倒産や破産する
ことになる。
そして最期には金融機関の不良債権が増大し、危機が顕在化する
わけである。
現実問題として、ドバイの不動産価格は最盛期から50%も
下落しているのだ。


同じUAEを構成するアブダビは豊富な油田があり、資金も潤沢。
プライドの高いドバイにとっては屈辱的だが、いざとなれば調達
という手助けを行うだろう。
しかし透明性に欠け、債務が膨大なドバイの政府系金融機関に対
して、疑心暗鬼になっていることは間違いない。
ドバイ企業の株価は大きく下落したまま。
おまけに格付け機関からも下げられてしまった。
今回がドバイにとって始まったばかりの危機と考えれば、先進国
からの資金調達は考えにくい。


今のドバイは、かつて日本が味わった道を辿ろうとしている。



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