ドバイ 地獄の経済破綻 金融危機と不動産バブル崩壊(4)

いったんは世界経済を大混乱にさせたドバイショックだが、時間
の経過とともに市場は落ち着きを取り戻した。
リーマンショックのように突発的な事件だったので、市場は一気
に冷え込んだが、影響は当分の間軽微なものになりそうだという。
しかし地獄の再到来は半年後に訪れるだろう。
今の欧米諸国の悲惨な姿が全てを物語っている。


わずか数年間というドバイの反映は短命だった。
今回の債務不履行で世界的な信用を一気に失ったからだ。
不動産と金融は一気に萎んでしまったことで、今後は物流や観光
といったビジネスを中心にしていく必要があるだろう。
日本やドイツのようなモノ作りに長けた技術なんてない。


ここ数年、ドバイにはショッピングモールが増えた。
高級ブランドからカジュアルまで大型店が建設されたが、イケイケ
ドンドンの消費は、これから絶対に期待できない。
2年前まではこのような地域にもかかわらず、毛皮のコートも多く
陳列されていたのだ。
日中の気温が冬場でも30度になるこの国で、果たして地元の人が
買うだろうか?
こういった商売下手はもう通用しない。


世界のマネーは神経質になっている。
東欧や最近のギリシャ中南米やアジアでも、ドバイで起きた資金
逃避がすでに起こっている。
来年後半は東南アジアや韓国で起こった通貨危機が蘇るだろう。
マネーは今、 「質への逃避」 を求めているのだ。
そういう意味で円高は十分理解できる。


マネーは新興国から逃げ出す準備を始めているということだ。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者