イタリア経済指標が最悪 経済格差 経済成長率はマイナス5%の悪夢

イタリア国立統計研究所が発表した、09年の国内総生産(GDP)
伸び率はマイナス5.0%になった。


このマイナス幅は調査を開始した1980年以来で最大。
これ以前の統計を基にしてはじき出しても、戦後最大のマイナス幅
になったという。
同国政府が1月に出した最新予測はマイナス4.8%。
ちなみに08年は1.3%のマイナス成長だった。


財政赤字も他の西洋諸国や日本などと同様に、過去最悪の水準に
達している。
イタリア中央銀行が出した09年債務の対GDP比は115.8%。
ちなみに08年は105.8%だったという。


イタリアのGDPは、すでに金融危機の発生以前から右肩下
がりに落ちている。
06年は2.0%成長であったが、07年は1.6%に鈍化、
08年はマイナス1.6%という惨憺たるものだ。

これは同じ欧州の経済大国であるドイツはもちろん、フランスや
イギリスよりもヒドイ。


イタリアはもともと経済格差が欧州一激しい国家でもある。
例を挙げればキリがないが、医療保険制度はどこかの国と同じく、
全く整っていない。
つまり日本とは正反対にあるといっていい。
国民皆保険制度がないため、一般庶民はなかなか病院に行けない。
身体の一部を診断し、その後薬を処方してもらうだけで、数十万円
もの診断費用がかかるというのだ。
だから病院は混雑さえしないが、いつも金持ちばかり訪れている。


では中流階級以下の国民はどこに行っているのか?
ナント、わざわざチェコなどに向かい、診てもらっているという。
自国と比べ、チェコは診療費が非常に安いからだ。


イタリア経済はますます混迷度を深めるだろう。
ある意味で欧州全体にいえることだが、貧しさに慣れている陽気な
国民性もあって、危機感がたいへん薄いと感じざるを得ない。
米国やイギリスが世界中にまき散らしてきた麻雀証券については、
幸運にもあまり買っていなかっただろうが、輸出依存度は日米英と
比べて、ずっと高い。 フランスよりもやや高い状態だ。


イタリアが 「PIIGS」 の仲間であることは忘れてはいけない。
ユーロ通貨危機で、財政赤字は急激に膨れ上がるだろう。



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