フランス経済指標 失業率も経済成長率も最悪に。ストライキも勃発

日本のアニメやコスプレといったクールジャパン文化を欧州で開花
させたフランスが、深刻な経済危機に瀕している。


失業率では1月に10.1%に達し、毎月悪化の一途を辿っている。
09年3月の失業率が9.0%であったから、深刻な雇用情勢が続
いているといっていいだろう。
ユーロ圏では、PIIGS諸国の次いで悪い経済指標だ。
(イタリアを除く)
ちなみにポルトガルの同月失業率が10.5%、クロアチアが10.
9%、そしてIMFに支援を仰いだハンガリーが11.1%だから、
いかにフランスが苦境に立たされているのかがわかる。


経済成長率は06年、07年と、2%前半の高成長を保ってきたが、
08年は一気に0.4%に急降下。
09年の経済成長率はついにマイナス2.2%と、戦後最悪になっ
てしまった。


そのフランスで23日、全国的な失業者急増に抗議するとともに、
サルコジ大統領が公約していた年金制度改革案に反対する24時
間のゼネストが起こり、各地の交通機関などに混乱が生じている。
大規模ストは昨年10月以来の半年ぶりといわれるが、もはやスト
はフランスが持つ複数の顔のひとつと考えられるだろう。
2005年に起こった全国的な暴動は今でも記憶に新しい。


政治に対する不信感は選挙でもそのまま表れた。
州議会議員を選出する地方選挙の第2回投票が21日に行われ、
左派連合が26州のうち23州で勝利。
与党右派は04年に続いて惨敗した。
今回の与党の敗北で、国政にも影響が出ると予想される。


やっと任期半ばを過ぎたサルコジ大統領にとって、最大の正念場
といえるだろうが、これから台風の目となるユーロ危機を考えると、
情勢は向かい風になることは必至。
ギリシャの難題が一時的に片付いたとしても、東欧やPIIGSの
問題が今年後半には再熱する。
外資の割合が高い欧州の財政赤字は、実態は日本以上に深刻だ。
今年はギリシャ。来年はPIIGSとイギリスが欧州を襲う。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者