円建て外債(サムライ債)のリスクが低下 東欧やアジアで発行増加

日本政府保証が付くことで、途上国向けの円建て外債(サムライ債
の発行コストは近年低下しており、今年の発行額が01年以来の高
い水準になるだろうと予測している。


サムライ債は1970年に初めて発行された。
1996年には、発行する団体の格付けが緩和されたことで、途上
国の起債も許されるようになった。
日本国債や日本企業の社債よりも利回りが幾分高いという特徴が
挙げられ、近年は欧米諸国の金融危機もあって、トリプルA格付け
を持つ国の信用が急速に悪化。
そのため昨年は4カ国が起債し、発行額は2750億円と5倍に膨
らんだのだ。


フィリピンは今年2月にサムライ債発行で1000億円を調達し、
インドネシアやトルコも今後発行計画を表明している。
さらにメキシコからハンガリーまでさまざまな国が、借り入れコスト
が2年ぶりの低水準にある同債に注目し、発行を検討している。
過去1年間のサムライ債リターンは日本国債を10倍上回っており、
日本の投資家も積極的に購入しているようだ。


しかし、かつてはアルゼンチン政府が起債したサムライ債が01年
に実質的に不履行になってしまい、国家破綻に陥ったアイスランド
も、08年10月にカウプシング銀行が発行していた、サムライ債
780億円がデフォルトになった。


サムライ債は日本国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)が24日
時点で144ベーシスポイントと、08年2月以来の低水準になった。
スプレッドは今年に入って25ベーシスポイントも低下した。
信用と安全いう意味では、世界的金融危機の中、欧米諸国の国債
と真逆の方向に流れるだろう。
注意点としては債務不履行にならないよう気を付けるだけだ。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者