アイルランド経済 欧州で最も早い不動産バブル崩壊 悪夢は続く(1)

欧州諸国で最も早く不動産バブルが崩壊したのが、実はイギリスで
はなく、隣国のアイルランドであった。
少し前まで西欧諸国でも経済が最も活気に満ちていた国であった。
かつてはポルトガルと並び、欧州の中でも最貧国として数えられて
いた国であったのに。。
この2、3年間、人口わずか450万人の小国に何が起こったのだ
ろうか。


90年代半ばまで、長期間経済が低空飛行が続いたアイルランド
あったが、90年代後半からイギリスや米国の景気回復も手伝って
急成長を遂げてきた。
80年代から90年代半ばまで、GDP成長率が3%程度に過ぎな
かった国が、その後07年までの平均成長率が7.5%という驚異
的な数字に、国民はアイリッシュ・パブのように酔い浸っていた。


アイルランドが高成長路線にシフトできた最大の要因は、税制優遇
措置によって欧米からの投資を積極的に誘致してきたからである。

アジアでいえば中国や東南アジアのように、輸出基地としてアイル
ランドを活用し、主に欧州向けの輸出政策を取ってきたからだ。


さらに21世紀に入って国内で不動産ブームが沸き起こり、不動産
や建設セクターが急成長するようになった。


ところが米国発の金融危機が発生し、絶好調であったアイルランド
経済に、かつてない悲劇が起こってしまった。
不動産市場から海外からの投資マネーが引き揚げられ、こういった
建設市場が急速に冷え込んでしまった。


同国出身の世界的なロックグループである 「U2」 を象徴して計画
されていた、U2タワーがついに建設中断に。
さすがに今回の金融危機までは吹き飛ばすことができなかった。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者