ギリシャ財政破綻 財政赤字削減を3年以内から5年以内に変更へ

ギリシャ発のソブリンリスクが今なお拡大している。
標的となっているのがポルトガルとスペイン。
ギリシャを除くユーロ圏15カ国とIMFによる支援決定以降も、国債
利回りはしばらく上昇が続いていた。
しかし大規模な支援表明以降、これらの国のCDSスプレッドは一旦
下落した。
これらの国は今なお不安解消に躍起となっているが、痛みを伴う政策
の実行力と経済成長への道筋をどれだけ維持できるかが、まさに今後
の課題といえよう。


さらにここへきて、またしてもギリシャ自身の政策が変更された。
当初は3年以内に財政赤字をGDP比3%以内に抑えるという目標を
立てていたが、やはり達成の難しさから、早速この目標を5年以内に
変更したのだ。

同国の付加価値税は今年3月に19%から21%に引き上げた
ばかりだが、これをさらに23%にまで引き上げた。

公務員のボーナスや年金の削減はすでに決まっている。


そして南欧ポルトガルも、国内における公共工事を圧縮し始めた。
同国のソクラテス首相はフランスのフィヨン首相と協議したうえで、
財政再建のため未契約の公共事業は再検討すると明言。
リスボンの新空港や、マドリードリスボン間の高速鉄道などの着工
を中止するという。


同政府はこのほか7万3000人の公務員削減と給与の凍結を決定。
その中の様々な手当の廃止なども計画している。
歳入対策としては、国営企業の株式売却や高額所得者に対する増税
どを予定している。


スペイン政府も2013年までにGDPの約4%に相当する500億ユーロ
の歳出減を実行。
将来的に備え、公務員の退職費用を抑えるために、年間1万3000人
ずつ削減を進め、さらに年金支給年齢の引き上げ、そして公的機関を
整理する。
今の日本政府が実行している特殊法人の見直しと同じようなものだ。


スペインはユーロ導入後、低金利に支えられ07年まで不動産バブル
と建設を原動力に成長してきた。
だが、08年9月に起こったリーマンショック後、しばらくしてバブルは
一気に崩壊。
今失業率は20%を超え、歳入が減少し、財政赤字が急拡大している。



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