ギリシャ財政破綻 ユーロ圏以外に米国(アメリカ)が心配する理由

欧州だけでなく、世界経済の混乱原因になっているギリシャの財政は、
南欧アイルランド、そして東欧諸国までソブリンリスクの不安を誘発
し、米国政府からの借り入れ懸念を一気に噴出させた。


米国は今回のギリシャ問題を見て怯えたに違いない。
あれほどの経済小国が欧州全土を不安に陥らせ、ユーロさえをも爆発
させるなんて、本来あり得ないはずなのに、実際そうなってしまった。


まもなく第2の欧州の銀行危機が起きようとしている。
それは米国の金融システムにも波紋を呼ぶ可能性は極めて高い。
いまだ米国の景気回復は弱々しいのだ。
米国の輸出割合は長年日本以上に低かったが、最近になって日本と
同じくらいの割合まで高まっている。

リーマンショック後のドル安から、やっと輸出産業に弾みがついてい
た矢先に、今回のギリシャショックが訪れたわけだ。


欧州諸国の需要が再び落ち込むようなことがあれば、米国経済は悪影
響を免れない。
米国にとって大きな頭痛の種は、ギリシャ問題の2次的な悪影響と、
緊急事態の拡大が経済の2番底を誘発してしまうことだ。
その最たる原因になり得る要素は 「米国債」 問題だろう。


ギリシャ米国債をほとんど保有していない。
ポルトガルも同じこと。
PIIGS諸国で最も多く米国債保有している国は、アイルランド
同国の米国債保有額は今年2月現在で、イタリアやスペインといった
欧州の経済大国より多い。フランスよりも多く保有している。
つまりこれらの国の金融危機が再発し、米国債を売却したりすると、
債権の価値が低下し、金利の上昇に繋がることになる。
そうなれば、現在ほぼ壊滅的な状態になっている米国の地方債まで
影響が広がるハメになるのだ。


ギリシャのデフォルトは近い。
最初の国債償還日を迎える5月19日には、さらなる悪材料が噴出す
るだろう。
それは先日決まった7500億ユーロの安定基金のさらなる増額か、
一層の追加支援策なども十分考えられる。
ギリシャは南米やロシア・北朝鮮のように、勝手に切り下げられ
る通貨を持たない。

最悪の場合は政治的に実行不可能な超緊縮財政に直面する。
各国からの借金を踏み倒しても、それで終わりにならない。



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