ポルトガル財政・経済破綻 46億ユーロの国債償還期限が迫る!!

ユーロ圏のリーダー格であるドイツのメルケル首相は、7500億ユ
ーロの救済策はあくまで、ユーロ通貨を守るため と述べている。
もちろんそれ以外の理由はミエミエだ。
ドイツ経済の4〜5割を支えている輸出の大半は隣国向け。
将来ギリシャが貸し倒れすることは薄々わかっていても、隣国などの
意思を無視するわけにはいかなかった。


この約1兆ドルのセーフティネットの大半は3年間を期限としていて、
将来期限が近付いても各国の財政健全化が実現していなければ、
その時点で緊急融資を得られない可能性が高い。
他のEU諸国の国民も、ドイツ国民同様に他国の債務を肩代わりする
ことに大きな反発があり、支援策を延長・増額する保証なんてない。


一時的に差し迫ったデフォルトの懸念が、とりあえず今回の支援策で
利回りは急落した。瞬間的に解消されたことは確かだ。
しかしそれも束の間だった。
ギリシャ、スペイン、イタリア、ポルトガル金利はすべて4月半ば
の水準に戻ってしまっている。


イタリア以外の3ヶ国は今後、数カ月間に多額の債務償還に直面する。
予定通りギリシャは、5月19日に85億ユーロの償還日を控えている。
ポルトガルも、翌日20日に46億ユーロの償還日を迎える。
先日12日には、ポルトガルが10億ユーロの10年債発行に成功した
が、それも不安を払しょくするほどではない。
スペインは7月に162億ユーロの国債償還を迎える。


もし欧州が紙幣の発行により国債を償還するようなことにれば、ユーロ
は今より悲惨な状況に陥るだろう。
一方でECBが予定通り、ギリシャポルトガルなどの国債を購入すれ
ば、欧州経済の中核を政治的に拘束してしまう。
つまりこれはユーロの価値を一層傷つけてしまうというわけだ。


今年中にユーロは対円で100円を割り込む可能性が高い。
来年はやや持ち直すだろうが、それでも2次、3次の債務返済が待ち
構えている。
今回のギリシャショックの影で隠れているようだが、かつての大英帝
国がそろそろ第2の正念場を迎えることになる。
いうまでもない。来週にはドバイの返済問題がクローズアップされる
からだ。
去年11月24日に起きた、ドバイによる半年間の返済繰り延べ問題
は世界中の為替・株式市場に衝撃を与えた。
ポンドの再急落は間もなくやってくる。



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