ユーロ圏 経済・財政危機 資金調達も困難。通貨スワップで解消?

一週間前、欧州各国政府は7500億ユーロ(約1兆ドル)に上る緊急
支援策を発表したのはご存じの通り。
PIIGSの中でもギリシャポルトガル、スペインなど問題を抱える
ユーロ圏各国に対する金融市場の不安を和らげて、ユーロ圏の銀行が
資金調達する際のプレッシャーを緩和することが狙いだった。


しかしドル資金取引市場の動きについては、そう簡単に事が運んでいな
いような気配が見られる。
今週に入っても、欧州の銀行によるドルの3カ月物平均調達コストの
上昇が続いていて、今月初めの0.30%から、18日には0.46%
となった。
このような問題は、欧州の銀行が現在抱えている約5000億ドル余り
の資金不足と大いに関連があるだろう。


07年前までは各国中央銀行機関投資家も、銀行から調達する通貨
の種類にはほとんど注意を払わなかった。
銀行はいつでも、そして世界のどこからでも資金を調達できると考えて
いたからだ。
それだけ無頓着で無策な金融取引が横行していたという証拠だ。


ところが08年以降は、そうした信頼を安易に置くのは誤りであるというこ
とが判明した。
金融危機発生時、欧州銀は新興国同様、突如としてドルの入手が極め
て困難になった。
インターバンク市場の信用不安が広まり、米連邦準備理事会(FRB)から
ドルの借り入れもできなくなったのだ。
結局その対策として、FRB欧州中央銀行(ECB)は一時的な通貨スワ
ップを実施することで最終的に合意したのだ。


今では悪いことに、不振を極める欧州銀行の多くがギリシャポルトガル
スペインの国債を多く保有しており、このことへの不信感から、投資家
はこういった銀行に大きな懸念を抱いているわけだ。
7月にはスペインが162億ユーロの国債償還を迎える。
今月19日にギリシャが直面した84億ユーロの倍の大きさだ。



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