PIIGS経済危機・財政赤字問題は、米国の巨大銀行を消滅させる。

ギリシャ財政赤字債務危機に端を発して、08年9月に起こった
リーマンショックほどではないが、現在世界的に株価が急落している。
国にお金を貸しても返済が焦げ付くという、ソブリンリスクだ。


金融危機の中でも景気を刺激するために、各国は苦しいながらも財政
資金を投入してきた。
今はそのツケをどうやって払うのかという問題に、投資家が神経質に
なっていて、財政状況の悪い国に対する不安感が高まっているわけだ。


具体的にいえばギリシャ以外に、ポルトガル、スペイン、イタリア、
アイルランドといったPIIGS諸国に間違いない。
こういった国以上に数字上財政が悪いのが日本なのだが、日本の国債
は94%以上が日本人によって保有されていることから、為替市場で、
たとえ通貨危機が起こっても、差し迫った危機は起こることはない。


さらに外国人が保有している6%の国債についても、イザと
なった時でも売却されないような仕組みになっているという。

この辺の事実がマスコミから一切報道されないのだ。


巷では、ギリシャのような小国が世界を揺るがすほどの危機は起こせ
ない. . . などと悠長な発言をしている人がいるが、97年に起こった
アジア通貨危機では、ギリシャより経済規模が小さかった当時のタイ
を発端に起こったことを忘れてはいけない。


とくに今回のユーロ圏危機は米国の金融機関を直撃する。
PIIGSに対するエクスポージャー(投融資)では、全米2位の銀行、
JPモルガンチェースが最大の貸し手となっている。
JPモルガンのPIIGS向けのエクスポージャーは363億ドル。
さらにモルガンスタンレーも324億ドルも融資している。

いうまでもなく米国政府が恐れている理由はコレだ。
これらの銀行は政府資本が入っているから、情報もわかっている。


そして国際決済銀行(BIS)によれば、欧州の銀行によるギリシャ向け
エクスポージャーは総額1931億ドル。
スペインに対しては8322億ドルとなっている。

今後欧州の銀行は、血が噴き出すほどの痛みを受けるにちがいない。



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