スペイン経済・財政危機 7月に162億ユーロの国債償還に恐怖

現在スペインは、戦後最悪規模の不動産バブル崩壊と最悪の失業率、
そしてギリシャ危機後のユーロ下落、さらにそれにより膨らみ続けて
いる財政赤字などにより、最大の危機的状況を迎えている。


米国のインチキ格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、
スペインの長期ソブリン債格付けを 「AA」 に引き下げた。
そして欧州のフィッチも5月28日、スペインの長期国債を 「AAA」
から1ノッチ引き下げて 「AAプラス」 としたことは記憶に新しい。


4月には同国の副財務相が、7月に到来する162億ユーロの国債
還について、資金を確保するのに問題はなく、ギリシャのようにEU
に支援を要請する必要はないだろう. . . との楽観的見解を明らかに
したばかりだった。
しかし翌5月には、同国首相自身がIMFに支援を要請したという噂
が飛び交い始め、今月6月に入ると、支援を要請した・・しない・・
といった記事が連日のように掲載されている。


そして今日もドイツ政府筋からの情報によれば、スペインが欧州支援
カニズムの発動を要請する兆候は全くない. . . という見解を示した
という。


もうおわかりだろう。
そもそもこういった報道が出てくること自体、あやしいのだ。
全くの事実無根なら、こういった話は出てくる筈がない。
少なくとも我々が日頃から情報を入手している報道機関は、最大手か
大手のどちらかだ。
こういった世界的な報道機関が、事実無根やいい加減な情報を流すわ
けがない。


スペインは今年1月から6月まで、EUの議長国を務めることになって
いる。
この間、同国政府は住宅建設部門や中小企業への支援を柱とした追
景気対策を施行。
緊縮財政下での今回の対策は、住宅リフォーム減税や投資インセン
ティブの付与、破綻企業・住宅ローン破産者の保護を掲げた。


しかしその裏でスペインが今でも抱える150万件以上の住宅在庫につ
いては、全く減少傾向が見られない。
アジアでは中国などと同様、住宅購入で住むといった実需より、
投資や投機目的で不動産ころがしをしてきたのだ。

ギリシャとスペインのユーロ離脱は実際に現実化する可能性が高い。
一方で小国であるポルトガルアイルランドは維持されるだろう。



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