ドバイ不動産バブル崩壊 財政赤字穴埋めに政府債発行 効果は薄い

2009年11月25日、中東ドバイ政府出資のドバイワールドと、
その傘下にある不動産開発会社ナキールが持つ、5兆円もの債務
返済を6カ月間繰り延べ要請をしたというニュースが、瞬く間に
世界中を駆け巡った。


政府の債務残高は対GDP比140%。
民間会社ならあっという間に倒産だろう。
大口債権者の英国をはじめとした借り入れが極めて高い為、政府で
あればすでにデフォルト状態だ。
これがいわゆるドバイ・ショックである。


英国中心の欧州諸国は886億ドル。米国は106億ドル。
日本は90億ドル債権をドバイに保有していた。
リーマンショック後は、ドバイにとって唯一の産業品である石油が
急落。
ロシアと同じような産業構造だから、経済の基礎は脆弱そのもので
あった。
世界中の消費活動が収縮し、天然資源や鉱物といった価格も急落。
ドバイに貸し付けていた債権も一斉に暴落した。


当然ドバイは約束した期限を過ぎても十分返済できず、債務の再返
済時期を債権者に要請した。
期限はさらに3カ月間の猶予をもらったが、今年の9月まで。
しかし・・・またしても不履行宣言。
ついに先月30日、日本円で1040億円の政府債を発行したのだ。
利回りは6〜7%という高いもので、投資家から4倍超もの応募が
あったという。
ある意味で当たり前だ。これだけ高金利なら多少危険をはらんでも
一定の投資家は飛びつくだろう。


ドバイは今後も、償還日が迫るたびに再返済の要請したり、追加の
政府債を発行するだろう。
たかが半年や1年そこらで、財政が簡単に好転するわけがない。
ところがドバイが抱えている財政危機はこれだけではないのだ。
ドバイホールディング全体の債務総額は2000億ドルにも上る。
日本円にして1.7兆円という額だ。
UAE(アラブ首長国連邦)に資金援助を頼むしかないと思われる。


ドバイはバブル崩壊以前から商売下手としても知られていた。
年がら年中、30度前後の気温にもかかわらず、空港のショップに
は毛皮のコートを売っている店が多かった。
もちろん観光客を狙った外国人向けの店だろうが、そんな洋服なら
先進国ならどこでも売っている。
先進国でなくても売っているだろう。
観光客は、決してメイド・イン・ドバイではないのに、自国より高い
価格で、しかも場違いともいえる商品を誰が本気で買うというのか?


ドバイも 【 STUPID 】 「馬鹿モノ」 の仲間である。
今後ギリシャ金融危機が深刻化していけば、いつデフォルトして
もおかしくない。



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