英国(イギリス) 48万人の公的人員削減へ 戦後最大規模

英国財務相は、48万人規模のリストラ策を含む大幅な歳出削減
を発表した。
労働党政権時に膨らんだ巨額の財政赤字削減に努める方針だ。
各省庁に平均25%の歳出削減を求め、4年後までに日本円にして
約10兆円の削減を達成するというもの。
このリストラ策は英国として戦後史上最大規模だという。


以前のブログにも詳しく記載したが、英国の経済情勢はユーロ圏
以上に厳しい。
欧州はギリシャやスペインをはじめとしたPIIGS諸国の財政悪化
が取り沙汰されているが、英国は単独通貨のポンドであることから、
巨大経済圏を持つユーロよりそれほど注目されない。
しかし今、もしくは今後の財政赤字を考えると、ユーロ圏以上に膨
らむ可能性が高いのだ。


2009年英国の公的債務はGDPの68%
これは1位のジンバブエ、2位日本、6位イタリア、7位ギリシャ
8位シンガポールなどより小さい。


しかし日本は、国債の引き受手の95%が日本の国民や企業。
しかしその他の国は、かなりの部分が外国からの投資なのである。
つまりひとたび自国通貨が安くなると、一気に資金が引き上げられ
てしまうことを意味する。
今後のドルやユーロ、ポンドが一層下落することが予想されること
から、来年は今年以上に、かなりのソブリンリスクが表面化してい
くだろう。


ギリシャに引き続き、間もなくアイルランドの危機が大きく報道さ
れそうだ。
アイルランドは今年の財政赤字が、GDP比で11.9%程度にな
るとの見通しを示した。
同国の積りに積もった財政赤字はGDP比57%
しかしこれはあくまでも政府が抱える赤字。
銀行セクターがかかえる赤字は、あまりにも巨大すぎる。
同国経済の規模からみても、救いようがないほど天文額的な数字
なのである。


最近はドルが、対円で最安値をうかがうほど下落しているので、
為替市場で反対に動くユーロが、対円でやや値を戻している。
これからも一進一退でシーソーのように動いていくだろう。
しかし円だけは徐々に最高値に向けて上昇していく。
さらに言えば、ポンドは一方的に下落していく。
今月中には対ドルで、95年4月に付けた79円75銭を突破する
可能性が出てきた。


せっかく羽田空港で新滑走路ができたのだが、来年の世界経済は
再び闇に陥り、海外からの観光客は徐々に減少することになる。
活気つくのは日本人旅行客が中心となるに違いない。



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