韓国サムスン電子 営業利益が頭打ち LG電子は丸1年間下降

家電製品や半導体分野で、日本メーカーと90年代以降争ってい
る韓国の大手2社、サムスン電子とLG電子の営業利益が減少し
ている。
日本ではソニーパナソニックが堅調な回復を見せたのに対し、
LGは去年の夏頃から減少しており、とうとう赤字に陥った。
さらに安値攻勢で高収益を誇ったサムスン電子も、勢いに陰りが
みえてきた。


ソニーの営業損益は、前年の582億円の赤字から1356億円
の黒字になり、パナソニックも前年同期の約6倍の1689億円、
純損益も前年の赤字から、747億円の黒字に見事転換した。


今回韓国の大手2社の陰りについては、最近のドル安ウォン高が
大きな要因だ。
さらに欧米諸国の経済情勢が再び縮小してきたことと、円高によ
って、日本からの工作機械や素材の輸入価格が上昇したことだ。


韓国メーカーの脆弱な基盤体質は今更言うまでもない。
通常は自国通貨が安くなると輸出産業が潤うのだが、対日依存に
大きく頼っている韓国の産業構図は、昔から一向に変わっておら
ず、再び弱さを露呈した格好だ。
韓国メーカーには、元々高品質の部品素材を作る技術がない為、
「値段が高いから日本から買わない」 というわけにはいかない。
だからいくらウォンが安くなっても、韓国製品の値段を今以上に
安くするというわけにはいかないのだ。


自慢の携帯電話の端末は、国産化率が0%。
家電に至っても多くの日本製部品に頼っており、工作機械も日本
製がほとんどだ。
さらに技術ライセンス料についても、かなりの額を日本に払って
いる。
自動車に至っても、中身のエンジンや工作機械は日本製ばかり。
もちろん半導体についても、製造装置は日本の東京エレクトロン
製を使っている。
最近はこういった為替リスクを避けるために、韓国メーカーの
奨めもあってか、同社は韓国内に製造工場を設けることを決定し
た。


韓国が日本製品と同品質を作れる理由がこれでわかるだろう。
単純にいえば、日本の工作機械や部品が日々進歩するたびに、
韓国メーカーがその最新技術を導入するわけだから、結局日本
と同じ製品が作れてしまうからである。

これは個人についても全く同じことが言える。
PCや携帯電話の最新機種が出れば、当然のことそちらを購入
するだろう。
ましてや世界企業に対する輸出品ということになると、ほんの
ちょっとでも古い製品や技術をアピールするわけにはいかない。


韓国は日本より早くインドに対してFTAを締結した。
さらに米国やEUでもFTAを締結している。
輸出の割合が高い韓国経済にとって、一刻の猶予もない。
こうした危機感は日本以上であるが、世界恐慌の砂時計は待っ
てはくれない。



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