円高 1ドル70円台へ突入か? 日本経済の国際的地位が上昇へ

今日の東京外国為替市場では、ドルが対円で15年ぶりの安値
を更新し、円の戦後最高値が現実化してきた。
明日から始まるFOMCの会合で、FRBによる追加の量的緩和
がほぼ確実視されているからだ。


現在ドルは主要通貨だけでなく、全世界の最貧国通貨に対して
もジワジワと安値に向かっている。
08年秋に日本円にして100兆円もの財政出動を打ち出し、翌年
の春前には、基幹産業や金融機関への融資を積極的に実施した。
こういったスピィーディに展開したことが功を奏した。


しかしそれに引き換え、大規模なリストラを敢行してきた。
失業率は高止まりしたままで、財政出動の効果はすでに切れて
しまっている。
相変わらず住宅などの差し押さえ件数は増加する一方。
不動産価格は下落の一途を辿っている。
不動産市場は一向に好転する気配を見せない。
もはや第2、第3の追加的カンフル剤を打ち出すしかないのだが、
資金だって限界がある。


当初FRBによる債権買取は、住宅公社(GSE)債から始まった。
最初は9兆円程度だったが、それから半年も経たずに113兆円
へと拡充された。
その後も幾度と支援策を講じ、08年9月15日に突如として起こ
ったリーマンショック以降、政府が投入した公的資金はナント. . .
800兆円(10兆ドル)だ。


私は過去に主要国の対外債務を紹介してきた。
PIIGSをはじめとしたユーロ圏を中心に記載してきたが、ここで
米国の対外債務を紹介しよう。
2009年現在で、GDP97%の債務を抱えている。
これは豪州の対外債務103%とほぼ同じレベル。
カナダの63%よりは大きい。


ちなみに日本の対外債務は43%。 先進国では最も低いのだ。
しかも18年連続で、世界最大の債権国家。
世界の大国で日本より債務が小さいのは、インドとブラジルくら
いなものだ。
こういったことから、今後はますます安全資産として円が買われ、
高くなってくる。
11月3日文化の日の海外市場では、一時的にも戦後最高値を
更新する可能性が高い。



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