アイルランド ポルトガル国債のCDSスプレッドが過去最高に..

11月3日のCDS市場で、アイルランド5年物国債CDSスプレ
ッドが急拡大し548bpとなり、過去最高水準を記録した。
アイルランド国債10年物利回りも、ユーロ導入以来の高水準の
7.6%付近に上昇。
ドイツ連邦債との利回り格差はついに515bpを超えた。


また同日、ポルトガル国債の利回りも急上昇した。
国債3カ月物利回りは、先月の1・59%から1・81%に上昇。
1年物も先月の2・88%から3.26%に上昇し、応札倍率も大き
く下落した。
欧州主要国で、かつて英国やドイツが味わった国債の未達が、
ここにきてPIIGS諸国に波及してきた。
まるで米国のFOMCの会合で、FRBが6000億ドルの追加国債
購入決定日に合わせたかのようなリアクションだ。


いうまでもない。これからはギリシャも再度の辛酸を舐めることに
なるだろう。
以前よりは落ち着いているギリシャCDSスプレッドも、第2の
余波が間もなく訪れる。
ギリシャの負債総額はGDP比113%。
上限といわれる60%をはるかに超えているのだ。


しかしギリシャの危機はどうしても放置できない理由がある。
ユーロ離脱ということになれば、ユーロ全体の信認が急激に低下。
これは最大の債権者フランスだけでなく、ドイツにも甚大な影響
を及ぼすことになるからだ。
ドイツ国内の銀行は巨額な評価損を計上することになる。


ギリシャ国債の6割は同国以外の欧州諸国の買い手。
さらに残りの2割が米国や一部のアジア諸国保有している。
全体の8割が海外からの買い手によって支えられている。
しかもその半分が各国主要銀行が保有しており、もしギリシャ
何らかの債務がチャラにされると、その影響は欧州全体に波及す
ることになるからだ。 (デフォルトに陥れば全額チャラになる)


具体的に言う。
ギリシャ政府の国債発行残高は2900億ユーロにも上る。
これは米国のリーマンブラザーズが、当時破綻した時に負ってい
た負債額を圧倒する規模であることだ。

これで納得。
第2のリーマンショックを回避する為、ECBをはじめとし、ドイツ、
フランスが中心となって救済するしかなかったのである。



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