米国(アメリカ)失業率 実態は15〜20% 財政赤字は悪夢

国労働省が発表した10月の雇用統計は、民間部門就業者数
が15万9千人増え、ここ数か月間に比べ大幅な増加を記録した。
そして非農業部門の雇用数も、予想の6千人増加を大幅に上回り、
15万1千人増となった。


しかし失業率の方は依然として9.6%で、全く改善されておらず、
見通しも不透明のままである。
これまでのブログで何度か掲載したが、雇用者が一時的に増加し
ても、求職を諦めてしまった人も同じく増加している。
また1年〜1年半程度の失業給付金が切れてしまい、完全に所得
が無くなってしまった理由も大きい。
こういった状況は、失業率という定義から除外されてしまうからで
ある。


新規雇用者が生まれても、失業率が改善されないということ
は、その分毎月ホームレスが増加しているという証拠である。


デトロイトがあるミシガン州では、公式の記録でも30%の失業率
に達しており、3人に1人が職を持たない状況だ。
GMとクライスラーの破綻は地元に人々にとって、想像を絶する
出来事だったのだろう。
何とか生き残ったフォードも、大規模なリストラが功を奏している
からに他ならない。
ところがそのフォードはというと、破綻前のGM以上の負債を抱
えているのが現状だ。


米国では今年に入ると、ワシントンDCで10%の失業率が記録
されて以来、今日まで15の州で10%を超えてしまった。
ところがこの数字はあくまで 「完全失業率」 であり、週1日とか、
週1時間といった短期もしくは超短期の仕事で食いつないでいる
人を加えると、状況はさらに悪くなる。
IT革命で沸いた90年代、米国は本当の失業率を隠すために、
統計の取り方を変えたのだ。
以前の計算方法で行えば、米国の本当の失業率は17%超!!


現在米国では1600万人の完全失業率のうち、約920万人が
失業保険を受け取ることができず、完全な無収入で暮らしを余議
なくされている。
手取り(可処分所得)を少しでも増やす為、保険自体を嫌う国民性
が、ここにきて仇となって自分の身に降りかかっているわけだ。
自業自得とはこのことだろう。


さらに再就職先を見つけ出す期間も長くなってきている。
首になって、次の仕事を探し出すまでの平均的な期間が35週。
つまり9カ月間もの間、就職活動をしないと仕事を得られないと
いう状況なのだ。


米国の財政赤字は公式発表で1100兆円。
しかし赤字隠しが長年続いていることが判明しているので、実際
はその15倍はあるらしい。
これに州政府や地方自治体、企業や個人の借金をプラスすれば、
200兆ドルを優に超えているという。
今後米国の更なる財政赤字と失業率の悪化だけでも、深刻の域
を通り超しているのだが、来年になれば欧州の癌も末期症状
にまた一歩前進することになる。
これで両巨大市場がますます萎縮されていくという寸法だ。



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