イタリア、ギリシャ、オーストリアの失業率が悪化 エストニアは改善

ロイターが伝えたところによれば、ギリシャの9月の失業率は12.6%
に上昇し、月次の失業率統計の発表を開始した04年以来の最高水準
となったと報道した。
ギリシャは今年3月には11.1%の失業率が、翌4月には12.2%に
急上昇している。


さらにイタリアも9月は8.3%の失業率だったが、翌10月には一気に
8.6%と悪化した。
さらに今回の欧州危機は中立国家であるオーストリアにも波及した。
9月の失業率は4.5%だったが、翌10月には4.8%に上昇した。
オーストリアはスイスや北欧諸国同様、周辺国に巨額な融資を行って
きたが、今回この焦げ付きがジワジワと襲ってきている証拠だ。


対照的に失業率が低下している国もある。
来年1月1日に、晴れてユーロ加盟を果たすエストニアだ。
2008年前半までは、同国の失業率はたったの4%台だった国が、
今年の5月には最悪の18.5%まで悪化した。
今回の世界的金融危機は想像を絶する事態だったに違いない。
ところが10月の最新失業率は14.1%に急回復している。
この指標については、実体経済が改善したのか、それとも職に就くこ
とを諦めた人が増えたのかどうかは明らかではない。


それにしてもイタリアの失業率は、夏には一旦改善していたことを考
えれば、今回のユーロ危機の深刻さを浮き彫りにしているといえる。
スペインも最悪の失業率が続いていおり、20.7%だ。
これは1994年に記録した19%を上回っている。
アイルランド14.1%と高い水準が続いている。
こちらは1986年に17%台の失業率を記録したが、今回の危機は
それに次ぐものになりそうだ。


現在ユーロ加盟16ヶ国で、失業率の改善が顕著になっているのは、
ドイツだけ。
去年11月には7.5%だったのが、今では6.7%まで低下。
ユーロ安も手伝って、世界屈指の輸出国が存在感を再び伸ばしている。



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