米銀の破綻 今年ついに151行目 プライムローンの焦げ付きで

連邦預金保険公社は10日、ミシガン州パラマウント・バンク、
ペンシルベニア州のアーススター・バンクの2行が経営破綻したと
発表した。今年の米銀破綻はこれで151件。
主に中間層向けのオルトAや、富裕層向けのプライムローンの焦げ
付きが増加しているとみられる。


しかし12月の破綻数はまだこれから増加するだろう。
最大のヤマ場は来週といえる。
過去12月を振り返っても、2008年はわずか3行の破綻だったが、
2009年は16行も潰れている。
それも第3週金曜日に集中しているのだ。
反対にクリスマスの週は閉鎖されていない。


現在米国は四半期決算の真っ最中。
最も注目される時期は会計年度末の9月、その次は3月。
そして12月、6月と続く。

過去の金融機関破綻をみても、08年9月にはリーマンブラザーズ
の破綻、その前年の9月はサブプライム危機が発覚している。
3月は08年にベアスターンズが破綻、09年はシティグループ
危機に瀕し、政府が37%の株を保有した。
為替相場については、毎年1月にドルが大きく下落している。


いよいよ来年秋から冬にかけて、住宅ローンの金利が跳ね上がる。
住宅保有者にとっては最大の試練がやってくるのだ。
今でも金利負担だけでアップアップな状態が、この時期が近くなる
と、現在の2倍〜3倍に増加するのだ。


失業問題も緊急の課題であるが、もはや救いようがない状態だ。
先日11月の失業率が9.8%と発表されたが、金融危機前に年収
数千万円を稼いでいた人が、コンビニやファーストフードの店員に
移っても、失業率にカウントされない。
実際にこういった人が米国で急増しているという。
また大黒柱が職を失っても、もう一方の配偶者がパートを始めれば、
単純計算で失業率は悪化しない。


NYの株式市場では、株価が回復しているというが、ダウ工業株に
ついては、たった30社だけなのである。
またこのダウ工業株30社は、時代に合わせて入れ替えが行われ
ていることをご存じだっただろうか。

第2次大戦以来、現在までこの30社に継続して残っている会社は、
ゼネラル・エレクトリック(GE)社だけだ。
悪い業績の会社は、都合良く撤退させられている。
中央銀行(FRB)から資金援助されるのは、大手金融機関と大企
業だけ。 現在のまやかしの景気回復は長く続くことはない。



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