米銀破綻 2010年は157行に! プライムローンの返済が悪化

連邦預金保険公社は17日、米銀6行の閉鎖を発表した。
今年の銀行破たん数は計157行。 09年の破綻数は140行。
すでに11月時点で去年の破綻数を上回っている。


中小金融機関は住宅金利の上昇や差し押さえなどが増え、さらに
消費の低迷や高失業率の影響を受け続けている。
来年2011年も今年以上の破綻数に達するのは確実だろう。


米国ではこれまで多くの地方銀行が潰れたが、それでもまだ国内
に5千もの中小金融機関がある。
バランスシートに問題がある銀行は860行に上っており、しかも
四半期ごとの発表で増加し続けているのだ。
だから銀行の破綻は今後も減少することはない。


すでに今年7月時点でFRBバーナンキ議長は、
“ 米国経済の見通しは非常に不確実な状況になっている ”
と、珍しく認めている。
やはり台所事情は火の車なのだ。
以前のブログでも掲載したが、いま米国経済を何とか支えている
のはFRBなのである。


金融危機前までは、米国債をはじめとして莫大な資金が世界中か
ら流れ込み、サブプライムやクレジットカードローンなどに使われ
ていた。
しかし今では借金といったツケが回って、身動きが完全に取れな
い状態だ。
とくにクレジットカードは返済が滞ると、カード会社自身の決定で
使用停止できる。
だから預貯金が全く無い人は即、生活が成り立たなくなるのだ。


米国経済が生き残る術として、輸出の拡大が叫ばれてた。
個人消費がダメなら、製造業と輸出で儲けようというものだ。
方針としては決して間違っていない。
だが米国の製造業の半分は死んでいるか、競争力を失いつつある。
米国GDPの製造業に占める割合は10%程度なのだ。
日本やドイツのように、高付加価値産業を築くことが先決である。


企業買収(M&A)においても、今のドル安ではなかなか難しい。
日本は円高によって企業の買収や合併が進んでいる。
輸出企業の海外進出も拡大していることもあり、円高への対抗は
十分できているのだ。



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