米銀 2011年は2行破綻から出発 今年は不良債権が大爆発する

連邦預金保険公社は7日、フロリダ州のファースト・コマーシャル
・バンク・オブ・フロリダ、アリゾナ州のレガシー・バンクの計2行が
経営破綻したと発表した。
2011年の米銀行破綻は、今回の2行がスタートを切った。


米国における住宅市況の悪化は今更いうまでもない。
07年8月に起こったサブプライム・ショック以降、不動産価格が落
ちているが、価格が下がっても買い手が思うように現れないのだ。
差し押さえは毎月のように増加しており、当面は中古市場として
供給されていくものと思われる。


先日09年12月の失業率が発表された。
結果は9.4%。 前月から0.4ポイントも改善したというもので、
市場は米国の景気回復が着実に顕れていると報道した。
しかし内容はといえば全くのデタラメだ。
失業者数は前月11月と比べて55万人も減ったというが、中には
失業給付金の期間が過ぎて、失業者の定義から外れた人が多い
ことを忘れてはいけない。


またこの時期はクリスマス商戦の時期。
1年の4分の1の消費が集中するわけだから、一時的な雇用が増
えるのは当然だ。

こういった詳細な部分は全く掲載されていない。
せいぜい載せているものとして、娯楽産業が4万7千人増、一方で
建設業が1万6千人減というものだけだ。
華々しいクリスマスと、長引く不動産不況の指標がアリアリと反映
されているではないか。


08年秋に起こったリーマン・ショック後、米国政府は7千億ドルの
TARPを創設したが、そのほとんどは大手金融機関や自動車会社
に使われた。 不良債権の買い取りには使われなかったのだ。
その後FRBによる量的緩和が行われたが、これもほとんどが金融
機関向けに流れている。
それほど米国の金融機関は癌が進行しているのだ。
つまり破綻への先送りに過ぎないことをしているだけだ。
今年は3年ぶりの巨大機関破綻が、いよいよ現実味を帯びてくる。
まず手っ取り早く、3月には再度のQE2を実施するだろう。



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