米国(アメリカ) 銀行のストレステスト第2弾 今回も茶番劇を通すか?

米国銀行大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)の最高財務責任者は、
国内主要銀19行に対して実施される予定の「ストレステスト」第2弾
に関し、FRBが2グループに分けて実施する方針だと明らかにした
という。


同責任者によれば、ストレステストは今年上半期の終了までに実施
する予定で、主に増配を計画している銀行についてテストを実施する
方針だと語ったようだ。
また下期に増配を予定している銀行に関しては、第2のグループと
して最初のグループ後に審査結果が公表されるという。


米銀のストレステストは09年5月に実施された。
その結果、資本不足と判断されたのは19社中10社。
不足額は合計746億ドルと発表された。
そしてバンカメだけが1社で339億ドルの不足となったという。
このテストで150人以上の検査官を投入したという話だが、実際は
非常に胡散臭いものであったことは間違いない。


なぜなら第3社機関を通して実施されていないという点。
つまり多くの検査官を投入したというのだが、これが身内の中で働く
会計検査員ばかりだということだ。
このことが最大の茶番行為といっていいだろう。


日本でも数年前に大きな問題となった。
民間企業に長年派遣されている公認会計士が、決算発表を粉飾し、
逮捕されたニュースは記憶に新しい。
ライブドアや鐘紡といった上場企業がやらかした。
公認会計士は、あくまで 「公認」 だから、利益を水増ししたりする
行為は違法である。
資格停止処分は当然の結果である。
つまり米国は身内同士でストレステストを実施していたのである。


さらに大手銀行は一度危機に陥れば、FRBからの資本注入を受け
れるという、特権に近いものを持っている。
そのため当然のこと、FRBがテストの介入をするのは理解できても、
政府と深いつながりがあるわけだから、どうしても不透明さがぬぐえ
ない。
“ 増配 ” だから、結局は中央銀行であるFRB量的緩和策で面倒
をみまーす。。。  と言っているようなものだ。
つまり事実を隠し、自国民や投資家に対して安心させる指標しか出
さない可能性があるのだ。
もし再度そういうやり方であるなら、これはまさに犯罪行為に等しい。


そもそも金融危機前、欧州PIIGS諸国に対して数百倍のレバレッジ
を賭けてきた大手投資銀行があるが、ひとたびユーロ危機が再熱す
るとなれば、とてもとても無事でいられるはずがない。
規模的にギリシャ・ショックどころではないのだ。
富裕層の住宅差し押さえや、法人向けローンの焦げ付きがどんどん
進むことから考えて、自国の実態経済も悪化の一途だ。
量的緩和策は今年以降、何度も実施されるだろう。


ストレステストは欧州も同じことだが、危機直前に投資家や世界を
安心させるためのテストであるといっていい。



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