米銀の破綻 今年23行 2009、2010年より破綻ペース増加

連邦預金保険公社によると、2月25日付で新たに1銀行が営業を
停止したと発表。
これにより今年の米銀行破綻件数は23件となった。


先日のブログでも紹介したが、米銀の閉鎖件数は過去2年間の同時
期と比べても、一向に減っていない。
2009年の2月までの破綻数 16
2010年の2月までの破綻数 22

今年も昨年を上回るペースで破綻が増えるだろう。


これらの破綻原因は、商業向け不動産融資の焦げ付きだ。
リーマンショック以降、米国政府が投入した公的資金や資産買い取り
額は、10兆ドルを軽く超えている。
だから実体経済は何ひとつ改善していない。
むしろ悪化の一途である。


欧州でもポルトガル長期金利が上昇している。
数日前にブログで紹介した金利をさらに上回っている。
ポルトガルの対外長期債務はアイルランドに継ぐ規模だ。
来月から4月にかけて、大量の国債償還がはじまることもあり、市場
は危機感を強めている。


さらに今日になって、大手シティグループ債務担保証券(CDO)や
モーゲージ関連取引に絡み、米証券取引委員会(SEC)など規制当
局の捜査を受けているという報道が駆け巡った。
覚えているだろうか?
2010年4月、ゴールドマン・サックスサブプライム金融関連商品の
販売で、投資家に重要情報を開示しなかったとして、意図的に欺いた
というニュースだった。


まさに再びCDOである。
とにかくシティは、過去にひた隠してある裏帳簿が7つも8つもあると
いう。

こういった米銀の隠蔽体質が、今後もいよいよ白日の下に晒される時
がやって来る。
当然このことは業績に即響いてくる。
ゴールドマンの去年四半期(4〜6月)の業績は営業利益が36%減。
純利益は82%もの減であった。
大手金融機関で飛びぬけて悪い決算だったのだ。
こういったことが次にシティを襲うことになる。


シティグループは2009年3月、事実上国有化された。
政府が株式の37%を保有してしまったのだ。
来月は大幅な業績悪化による再救済も想定される。



 ★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者