世界の自動車メーカーで、日本製の部品が品薄 産業に致命傷

東日本大震災の影響で、東北地方の工場だけでなく、物流機能も復活に
程遠いことから、国内だけでなくアジアや欧米諸国への供給も寸断されて
いる。


米GM傘下のオペルも、スペインとドイツの工場生産シフトを一部停止。
小型車に使う日本製電子部品の不足が理由だという。
欧州の工場でも、インドのタタ傘下である英国ジャガー・ランドローバー
先週、上級セダンの減産に踏み切った。
同車の製造で不可欠な、液晶表示装置が不足してきたらしい。


さらに余波は広がっている。
欧州第2位の自動車メーカーである、フランスのプジョーシトロエンGも、
日本製の電子部品が不足したため、先週フランス国内だけでなく、スペ
インの工場でも減産を余儀なくされた。
ディーゼルエンジンの空調センサー部品が不足し、在庫水準が低くなった
のが判明。
日立製作所の工場が東日本大震災で被害を受け、需要に追いつかなく
なっているという。


海外メーカーだけでない。
北米工場のトヨタ、ホンダも部品不足で工場を一部閉鎖。
フォードとクライスラーでも、日本で操業する金属顔料の納入に支障をきたし、
黒と赤の車体受注を控えているという。
以前からそうなのだが、自動車における日本の塗装技術はピカイチ。
日本ほど多くの色やツヤを生みだす加工技術はない。
外国人は、“ 日本車ほど見た目が綺麗な車はない ” といっているのだ。
もちろん見た目だけではないが...。


世界の自動車メーカーは、部品に占める日本製電子製品の割合が高い
ことから、サプライヤーの寸断は致命的だ。
これはPHVといったハイブリッド車や、電気自動車(EV)だけに限らない。
単純なガソリン車においても、まだまだ日本独自の技術に頼っている。
パーツだけではない。
これまで何度か述べてきたが、車体を組み立てるための金属加工プレス
機は日本製が多い。
米国や中国、韓国、ロシアも全て日本製の工作機械を使っている。


日本と同じくドイツも技術大国として知られている。
基幹産業におけるドイツ製品の世界シェアは、約2〜4割が圧倒的に多
いが、日本の場合、世界シェアの7〜9割の企業も多い。
だから安易に他国からの代替はできないのだ。
日本はマスコミによる誤魔化し表現で、「輸出に頼っている」 という言い
方をするが、これはもう捉え方が完全に間違っている。
つまり、 「世界が必要だと言ってくるから、提供してあげている」
というのが本当のところだろう。
こういったことでも、マスゴミは健在だ。


今回の震災影響は世界的に痛みがともなう。
たとえ工場が再開されても、今度は電気の供給が少なくなる。
つまり減産は免れないということだ。
もちろん自動車関連の部品だけではない。 携帯電話や液晶テレビとい
った製品も影響を受ける。
つまりこのことは世界の工場である、「中国」 が製品の減産だけでなく、
雇用の影響もジワジワ効いてくることになる。
まだ今は在庫が枯渇していないから何とか耐えていっているだけだ。
ただそこは報道規制の多い、中国。
すでにかなりの悪影響が出ている可能性が高い。


とにかく今回サルコジ大統領が来日した理由は、こういった原発への手
助けといったパフォーマンスと、G8成功のためだ。

原発の支援だけなら、わざわざ一国のトップが来る必要はない。
すでにアレバのトップがやって来ているではないか。
まさに大統領の来日とタイミングとが一致しているといえよう。
そして今回は震災の影響から、菅総理がG8への出席を見送る可能性
も出てきていた。
そうした懸念もあって、大統領が来日したという側面もあるのだ。
そういう意味では成功したのだろう。
80年代、かつて故ミッテラン元大統領が東京サミットに出席しないこと
を表明していたが、日本政府の働きで何とか来日を実現させた。
サミットの成功はどこの国でも必死だ。



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