米国務長官の来日 日米両政府や震災復興への協力強化ではない。

クリントン国務長官東日本大震災の支援で、日米両政府の協力強
化を図るため、今月中旬にも訪日することで最終調整しているという。
福島第1原発事故の対応や、震災復興について協議していくというもの。
日本側からいえば、今月末GW中に見込まれていた日米安全保障協議
委員会は、震災への対応を優先するため、6月以降に延期される予定だ
という。


それにしてもNATOの外相級会合後とはいえ、クリントン氏の訪日には
何かウラが隠されているとしか思えない。
これまでは東アジアやASEAN諸国といった近隣諸国への訪問によっ
て、日本に立ち寄るといったケースが多かったのだが、今回はわざわざ
ドイツからやって来る。


同長官は大震災前の3月10日に、反政府勢力によって政権が倒された
チュニジアやエジプトを訪問すると突然表明。
同月15日にはチュニジアに続き、エジプトで暫定内閣のシャラフ首相と
会談し、同国への協力を約束している。
こういった協力方針は理解できるが、10日に訪問表明後、14日には
チュニジアに到着し始めたことについて、あまりにも迅速過ぎるとは思え
ないだろうか。
これらの国の訪問前は、他地域での会合や訪問などはなかった。


今回の来日は16日を予定しているという。
10日前だ。
しかも以前から予定されていたNATOでの会合後に寄るもの。
こういった見地から考えて、日本の訪問は、エジプトやチュニジアほど急
を有するものではないということである。
もし日米の協力強化なら、NATO会合前にやって来てもおかしくないだ
ろう。
しかも原発で揺れる被災地域を訪問するわけではない。
あくまでも東京だけである。


クリントン国務長官の訪日目的は、あくまで経済問題であり、震災への
協力なんかではない。
日本側が復興費用のために、米国から資金を流出させないように取り図
るためだ。

日本はもう自民党政権ではない。
民主党政権は一応米国寄りであるが、米国債や同国に直接貸し付け
ている資金を絶対回収しないという保証はどこもない。
もちろん日本政府との会合上は、震災への協力については挨拶代わり
として、建前上では話すだろう。
しかし本来の目的は違うということだ。


ではチュニジアとエジプト訪問がなぜ迅速に行われたのか?
最大の理由は、前政権が個人的に抱えていた資産が目当てだった。
ベンアリ前大統領もムバラク前大統領も、数兆円という資産を保有して
いたことがわかった。
こういった資金は時間が経つにつれて、どこかに吸い込まれたり、誰か
の手によって隠匿されてしまう。
その最有力候補が次期大統領をはじめとした政権だ。
だから新しい政権と話し合ってきたというわけである。
つまりこういった資金を手に入れるためである。
その代わりとして米国との政治的な関係を強化しよう.... という思惑な
のである。
傲慢外交とはこのことだ。


今回の訪日で、直接 「カネを貸してほしい」 などとは言わないだろう。
しかしはるばる来日を果たし、震災協力といった話をしてくれるだけでも
相手の心を掴むことができる。
向こうでも日本のビジネスにおける文化的な側面はよく知っている。
というか、よく知らされている。
日本に在住しているスパイ連中が昔から情報を提供しているからだ。


日本政府はこういった誤魔化し外交に乗ってはいけない。
カリフォルニア州のシュワ前知事が、日本から巨額なカネをふんだくる為、
2年連続で来日しているという事実を肝に銘じることだ。
少なくとも民主党政権は同じ轍を踏まないよう期待する。



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