南インド訪問 人々の優しさに感銘 日印は経済協力の拡大へ

読者の皆様、お久しぶりです。
いかがお過ごしでしょうか?
私は約2週間の間、南インドを訪問してきました。
昔、日本では ≪天竺≫ と呼ばれた国です。


この間、日本では東日本大震災後の余震が続いたようです。
4月10日に茨城で起こった大きな地震は、現地インドでも大きく報
じられました。
このニュースはトップではないにしても、3番手ほどの報道規模とし
て流していたほどです。


さて3月11日(金)に起こった本震、東日本大震災についてはインド
でも極めて大きな報道だったようで、震災直後の数日間はトップニュ
ースといったレベルを超え、かなりの時間と紙面を割いて伝えていた
ようです。
私も現地で数々の名所を訪れましたが、そこで現地の人と話を始め
ると、必ず日本での震災・及び津波について聞かれました。


“ 日本は大丈夫か? ”
“ 復興までどのくらいかかるのか? ”
“ どれほどの犠牲者が出たのか? ”
“ 経済のほうはどうなるのか? ”


といった質問を必ず訪ねてくるのです。
私は南インドの中堅都市まで行きましたが、乗り物などをチャーター
する旅行会社の人や、ホテルの従業員、そして偶然話しかけてきた
一般通行人や学生までも、日本の震災については皆知っていました。
以前ブログに投稿しましたが、震災後は日本に住んでいた5千人も
のインド人が一時帰国したという事実からみても、今回の震災が計
り知れないほどの影響だったことが分かります。


今回私が訪問した都市は、タミルナードゥ州の州都 「チェンナイ」、
同州第2の都市 「マドゥライ」。
そしてアーンドラプラデーシュ州の州都 「ハイデラバード」 です。
南インドは北部にあるデリーとは違い、やや文化的に異なっており、
言語はもちろん、お寺の様式、食などについても南北では違ってい
ました。
似ているものとしては、気候くらいなものでしょうか。


インドは毎年4月頃から暑さが戻ってきます。
最も暑い時期は6月といわれています。
この時期は次第に雨期に近ついてくることから、ジメジメしており、
不快指数が最高潮になるからでしょう。
とくにGW中のインド旅行は暑さ対策が欠かせません。
この国はまだまだ衛生状態が整っておらず、暑いからといって水道水
を何気なく飲むと必ずといっていいほどお腹を壊します。
日本の水道水ように殺菌消毒がされていないので、屋台で出される
水はもちろん、ジュース、氷の入った飲料水は避けた方が無難です。
それから露店で売られている果物ジュースもやめたほうがいいです。
たとえ水や氷を足していなくても、その過程で作られる機械にバクテ
リアが付着している
ので注意してください。


食についてです。
とくに日本にあるインド料理店では必ず出される、インド風のパンと
いえば 【 ナーン 】 ですが、こちら南インドでは高級料理店以外で
はまずお目にかかりません。
多くが 「チャパティ」 や 「プリ」 といった比較的薄い生地のものが
ほとんどでした。
とくに後者のプリは、初めて食べる者としてはとても変わった触感。
これがモチモチしていて非常においしい。
私は病みつきになり、お代りを2度もお願いしたくらいです。
街中の小さい食堂内で食べたので、追加料金はナシでした。


名所についてですが、とくにチャンナイやマドゥライといった都市は、
南インド様式のお寺が数多く建てられており、とくにマドゥライは観光
でもっているようなもの。
チェンナイからプライベートバスを使い、約8時間で到着。
同市にあるミーナークシ寺院に私は月曜日に訪れましたが、そこで
たまたま大きな祭りが行われている真っ最中で、チェンナイなどから
数多くの人々が参拝にやって来ていました。
インド人の陽気さを交えて、奇抜なコスチューム、そして周辺の人に
水を掛け合ったりと、普段より賑やかな催しであるというもの。
お祭りは数日間続けられているということですが、とにかく人の多さ
には圧巻しました。


そして私は州を飛び越え、ハイデラバードに向かいました。
こちらも夜行バスを使い、途中何度か休憩をはさんで約12時間程
かかりました。
ここはヒンドゥー教というより、イスラム教が栄えた都市です。
私は訪れる前から大体名前で想像できました。
『〜〜〜バード』 という名前の都市はイスラム色が強い都市。
同市以外にも、アフマダ―バード、アウランガバードがあります。
そして 『〜〜〜プル』 についてはヒンドゥー教が中心として栄えた
都市です。
代表的な都市としてアグラと並び称される観光名所、ジャィプル。
それからジョードプルウダイプルといったところでしょうか。


とにかく南インドに入って最も感銘を受けたのは、人々の優しさです。
私は過去2回北部を訪れたことがありますが、そこではとにかく外国
人をみかければ何かと要求してきたり、陥れようとしてくるのです。
しかし南の人々には、そういったしつこさはいません。
インドの三輪車(オートリキシャ)で、場所を告げても北部の運転手の
ように間違った場所に連れて行かれることはなく、ちゃんと目的地ま
で運んで行ってくれます。
南インドの人は性格的に、まろやかさが満ちています。


さてインドで使われる通貨は 「ルピー」。
最近は金融危機の影響で、日本円がどの国よりも上昇し、対ルピー
でも上がっています。
現在1ルピーが、約1.9円。2年ほど前は約2.1円でした。
1万円を両替すると、手数料を考えても5000ルピーにはなります。
ところがここで注意を喚起したいのですが、インドで両替をする場合、
なるべく町にある小さな両替所を使ったほうがベストです。

空港やホテルで両替すると、手数料がかなり高く、端数まで切られる
こともあります。
インドでは “ 両替は空港 ” といった先入観は捨てて、持っている
旅行費用を全て空港やホテルで両替しないようにしてください。


インドでの乗り物です。
昔から日常的に使われているものといえば、オートリキシャ。
まだまだインドでも健在といっていいでしょう。
しかし数年前から光景が変わってきており、次第に普通乗用車が増
加していることは否めません。
これは経済的発展が主な理由ですが、場所によって新たなリキシャ
の免許を受け付けないところもあります。
とくにオートバイについては、ヒーローホンダがほとんど。
中には一部、スズキやヤマハもちらほら見かけます。
乗用車については、82年に進出したスズキを筆頭に、インドのタタ、
韓国のヒュンダイ、そして日本のホンダやトヨタ
この5社がほとんどでした。


一方で家電製品については、残念ながら韓国製が目立ちます。
安い宿泊施設でもエアコンはLG製。
テレビもサムスン製が多かったです。
テレビやエアコン、冷蔵庫といった家電は韓国製、オーデオ機器は
日本製を選ぶといった傾向が定着しています。
しかしここへきてようやく去年7月から日本のソニーサムスンを超
えたといいます。


とにかくオートリキシャについてですが、今回はデリーやムンバイと
いった大都市を訪れていないので、どのくらい衰退しているのかまで
は分かりませんが、地方都市ではまだ多く走っています。
しかし使っているドライバーは経済的に決して楽ではありません。
自己所有で使っている人はまだまだ少なく、ほとんどの人が借用とし
ているようです。

そのレンタル料金ですが、チェンナイで何人かのドライバーに聞いて
みたところ、ナント一日900ルピー。
さらに燃料代は自己負担ということです。
もちろん州や場所によって違うのでしょうが、一日にかなり稼がない
と赤字になりかねません。
ドライバーにも配偶者や子供、そして同居している親がいます。
仮に一日の利益が3〜400ルピーとしても、一カ月あたり2万円にも
満たないこともあります。
土・日といった週末は学校や仕事に行く人も限られますから、その分
リキシャを使う人も少ないでしょう。
しかしそれでも彼らにとっては、普段使い慣れている商売道具を使う
しかないのです。
他の仕事に就くことは困難を極めるというのが現実でしょう。


さてどこの国へ行っても最後に気が休まる所は、宿泊(ホテル)。
インドでの宿泊は安く済ませると、日本円でもせいぜい数百円程度。
私はマドゥライで一日500ルピーの宿を借りました。
このくらいの宿でも十分、バス、トイレ、TVは付いてきます。
エアコンは厳しいですが、天井にはファンが付いており、とくに寝苦
しいということはありません。
しかしやはりここでもインド。
宿泊において気をつけて欲しいことが2点あります。


1つ目は停電。
これは中堅のホテルでも日常茶飯事。
急にブレーカーが落ちて、部屋が真っ暗になることが多いのです。
ほとんどは従業員がすぐに復旧させるのですが、地震と違い、突然
やってくる停電は、なかなか日本人には馴染みがないものです。
暑い時期に突然ファンが止まったりするとイヤですね。
そして2つ目ですが、インドの宿泊施設では高級ホテルなどを除き、
朝食時間が遅く始まるのです。
大体始まる時間帯が朝の7時、もしくは7時半。
非常に遅いのです。
私は宿泊した朝食付きのホテルで食べようとし、朝の6時台に向かう
と、まだ始まっていないから出せない...といわれました。
まあ、きちんと時間を確認しなかった私が悪いのですが、こういった
ことも事前に確認しておくべきでしょう。


また南インドでは北部と比べ、外国人観光客が少ないことです。
私はチェンナイならまだしも、その他の都市では注目の的になりまし
た。
顔や服装もそうですが、とくに現地の興味を引いたのがカメラ。
私はカメラ付き携帯電話を所有して、写真や動画などを撮っていると、
必ず何人かの人が近寄ってきます。
周囲の人もカメラ付き携帯を持っていますが、性能はといえば比較に
ならない。
私のように折りたたみ携帯、画素数の高いカメラ、ビデオ、ワンセグ
使えるものは現地では非常に珍しくみられ、“ 是非使わしてくれ ”
というように手を差し伸べてきます。
しかし写真を撮ってもらおうと頼んでも、日本の携帯の使い方が慣れ
ていないせいか、うまくシャッターを押せなかったり、ピントが下手く
そだったりとうまくいきませんでした。(笑)
それとタッチパネル式自体が珍しいのでしょうね。
ちなみに私の携帯はシャープのアクオスショット。
価格を教えると、やはりその高さに皆びっくりしました。


インドは日本と比べるとまだまだ物価は安いです。
GDPは世界11位までのし上がってきましたが、人口は12億です
から、一人当りの所得はベトナムパキスタン並み。
つまり貧富の差が激しいのです。
しかし公共事業やモノ作りなど、今後の発展は大いに期待できます
から、日本などが積極的に援助に乗り出しています。
高速道路や高速鉄道原子力発電などは日本が中心となって進め
るでしょう。
自民党政権時には4500億円の円借款を実現させました。
09年首都デリーで開通した地下鉄は、日本の援助だったことはご存
じの通り。
地上と比較して、そのきれいさには目を見張りました。
そのうち汚されるのでしょうが. . . 。
今後の日印両国の発展に大いに期待したいと思います。



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