金(ゴールド)価格が下落へ GSRが最近になって急上昇へ転じる。

穀物価格が依然として高い水準に位置しているのに対し、4月下旬頃から
金(ゴールド)と銀(シルバー)の相場がやや下落し始めた。


米(コメ)・大麦・小麦・とうもろこし価格は、去年の5月頃から上昇しており、
最近になってようやく僅かながら下落しているだけ。
それでも同時期と比較すれば、大麦は3割ほど上昇、小麦やとうもろこしに
至っては約2倍の価格だ。
各国ともインフレ対策として、政策金利を若干上げてきている。


主要国ではインドが、5月3日一度に0.5%も引き上げた。
これによってインドの国債利回りは、今でも上昇中である。
ECBも4月7日に政策金利を0.25%引き上げた。
ASEANをはじめとした他の新興国金利を上げてきている。
そしてここへきて中国も0.5%引き上げた。
中国は先月に続く引き上げだ。
その一方で日米は以前としてゼロ金利のままだ。


さて金と銀の相場であるが、GSR(ゴールド・シルバー・レシオ)という指標
をみれば、金価格が下落した頃から、値が急激に上っている。
これは金と銀の交換比率に過ぎないものであるが、この指標が大きく上昇
し始めると、恐慌がヒタヒタと近ついてくるのである。

リーマンショックの際は、夏場には57だったGSRが、9月になって86まで
上がったのだ。
去年のギリシャショックも同様で、パニック時には70近くまで上昇している。


GSRは、銀が金に対して高くなれば上昇する。
去年9月から4月下旬までは順調に下降線を描いていて、つい2週間前ま
では31だったが、5月に入った途端に急激に上がり始めたのだ。
そして最新の値では44。
このまま上がり続けるかどうか要注意であるが、少なくともそういった予兆
は所々で感じてきている。



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