フランス短期国債の利回りが急上昇 ギリシャの再編が現実に

20日、ギリシャ10年物国債の利回りが16.572%まで上昇して取り
引きを終了した。
これは欧州格付け会社のフィッチが、ギリシャ国債を3段階も引き下げ
たことで、いよいよ再編が不可避という話になったことだ。


これによってスペインの長期国債も、先月27日以来の高水準となった
が、もはや注目するのはPIIGS諸国だけではなくなったようだ。
ギリシャへの最大融資国であるフランスが、いよいよ危機を迎えそうな
気配である。


フランスの2年物短期国債が、一気に2%まで上昇したのだ。
今後のギリシャやスペインの状況次第では、中・長期国債まで波及しそ
うである。
フランスはスペインに対しても、融資額ではギリシャ以上に貸している。


ユーロ圏の悪循環は、一国だけに留まらないから非常に危険である。
次から次へと危機が連鎖するから、一国だけが逃げ切れるという構造に
はならない。
まずは現実的な話として、ギリシャが債務再編もしくはデフォルトすれば、
スペインまでもEUやIMFに支援を要請する。
さらにこの2ヵ国に対し、多額の債権を有するドイツとフランスが、一気
に危機を迎えることになるのだ。


同時にイタリアの経済危機も浮上するだろう。
現在イタリアの短・中・長期国債の利回りは、オランダやベルギーより
高い。
財政赤字は日本と同じ非常に高い水準にあるが、日本と決定的に違う
のは、外国からの借り入れが5割を超えている点である。
スペインとイタリア、つまりユーロ圏で4位と3位の経済大国が今年の
後半には正念場を迎えることになる。



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