外務省 竹島問題による大韓航空の利用自粛 狙いと効果は!?

日韓両国が領有権を巡って対立する竹島(韓国名・独島)問題が続く
中、韓国大韓航空が6月16日、新型旅客機エアバスA380の導入に
あたり、竹島上空で勝手にデモフライトを実施した。
この件で現在日韓の外交が少々揺らいでいる。


松本剛明外相が今回の韓国側の行為は許しがたいとして、外務省職
員に対し、7月18日から1ヶ月間、大韓航空機の利用を自粛するよう
全省員に指示したというものだ。
韓国の新聞各社では、国が特定航空会社を相手に利用自粛措置を
取ったことは極めて遺憾だとし、対抗措置も辞さないという構えである
ことも伝えている。


今回の件では、日本政府による政治的な背景と、大韓航空に対する
旅客数の効果について、案外興味深い点が出てくる。
しかしそれ以前の問題として、同機が竹島上空を勝手にフライトした
のは先月16日。
なぜ今になって自粛を発令したのか?
何か別のタイミングを狙った措置なのか?


それから外務省職員に対してだけの自粛というのも、何となくモノ足
りない感がするし、見方によっては頓珍漢も否めない。
確かに外務省職員は日本の霞が関だけではない。
大使館や領事館といった海外に駐在する職員も多く存在する。
しかしほとんどの外務省職員は、もともとJALといった国内の航空機
を利用するのではないだろうか?
時代錯誤な考えかもしれないが、今はどうなのだろう。
確かに日本の航空会社が飛んでいない国や地域があるのは確か。


その一方で自粛効果のほどであるが、効果があるか無いかについて
だが、ちょっとした効果はあると考えている。
1ヶ月間の利用自粛というのは建前上、外務省職員向けに発せられた
ものであるが、これがある意味アナウンスメント効果として、一般日本
人の利用自粛に感染する可能性があるからだ。

今回の件で、たびたび海外に出向く筆者ですら、大韓航空機は極力
控えよう. . . と思ってしまったのが、何よりの効果だといえよう。
他の日本の方も沢山いるはずだから。


松本外相の措置は同航空会社に対して、ちょっとした風評被害を与え
てしまった。
そういった意味では韓国側に対して効果があったといえる。
問題は今後の韓国側の出方だ。
それが日本への安易な対抗措置である。
場合によっては日本人の利用者をどんどん減らすハメになるだろう。
何しろ今年5月、せっかく成田 ― インチョン間で飛ばすために購入し
たA380のエアバス機である。
同国の出方によっては、採算が取れない高い買い物になってしまうの
は確実だ。


日本に対しては何事も “ やられたらやり返す ” というのが韓国人。
民間利用者の影響もあるから、たった1ヶ月間の自粛で解決できると
思ったら大間違い。
しばらくこの問題は尾を引くだろう。
とにかく政治嫌いの李明博大統領であるが、日本との関係と同国民
からの感情的な圧力から、これから難しい決断を迫られそうだ。



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